古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順|夏野菜のあとのプランター

ベランダの隅に、土の入ったプランターがそのまま置いてありませんか。捨てるにも自治体の多くは家庭ごみとして回収してくれず、かといってそのまま次を播くのも不安——この状態で止まっている人は少なくありません。捨てる場合の調べ方はプランターの土は処分できるのかに書きました。この記事は、もう一度使うほうの手順です。

結論から言います。使い終わった土は、5つの工程を踏めば次の作に使えます。 必要なのは、ふるい・熱・有機物・pH調整・熟成の5つだけです。特別な道具は要りません。

この記事で分かることは3つです。

  1. プランター1個分(約12L)を、3〜4週間で次に使える状態に戻す手順
  2. それぞれの工程で、何を見て「次に進んでよい」と判断するのか
  3. 再生した土と新品の培養土で、同じ日に播いた野菜がどう育つのか
プランター1個(約12L)が、次に使えるようになるまで 0日目1週間後2週間後3週間後4週間後 工程2 熱を入れる 1週間 工程4 pH待ち 1週間・飛ばせる 工程5 熟成 2週間 工程1 ふるい 30分 工程3・4 配合 20分+pH 10分 使える 手を動かす時間 合計 60分 使えるようになるまで 3〜4週間 プランター1個(約12L)が、 次に使えるようになるまで 0日目1週間後2週間後3週間後4週間後 工程2 熱を入れる 1週間 工程4 pH待ち 1週間・飛ばせる 工程5 熟成 2週間 工程1 ふるい 30分 工程3・4 配合 20分+pH 10分 使える 手を動かす時間 合計 60分 使えるようになるまで 3〜4週間

図1 各工程に書いた時間を並べたものです。pH が 6.0〜6.5 に入っていれば工程4を飛ばせるので、最短は3週間。石灰を入れる場合は待ち時間が1週間加わって4週間になります。手を動かすのは合計60分だけで、あとは置いておく時間です。

この記事の目次
  1. そのまま使えない理由は、3つに分けられる
  2. 5つの工程
  3. 一般的なやり方は3通り。それぞれの限界も書きます
  4. 実際に比べた記録
  5. よくある質問
  6. 毎年5工程を回すのが負担なら

そのまま使えない理由は、3つに分けられる

「古い土は疲れている」とよく言われますが、これでは対処のしようがありません。原因は3つに分解できます。自分がどれに当てはまるかで、手のかけ方が変わります。

古い土がそのまま使えない、3つの理由 1 窒素飢餓 前作の細い根が残る 微生物が分解に窒素を使う 出る症状 発芽はするのに、本葉が 出るころ生育が止まる → 工程1・5 で先に分解 2 塩類集積 表面に白い結晶が浮く 見分け方 EC が 1.0 mS/cm 超なら そのままは使わない → 簡易EC計は3,000円前後 3 団粒構造の崩壊 水が染みず、縁から流れ出る 見分け方 湿った土を握って押しても 崩れなければ、壊れている → 次の図で確かめられます 古い土がそのまま使えない、 3つの理由 1 窒素飢餓 前作の細い根が残る 微生物が分解に窒素を使う 出る症状 発芽はするのに、本葉が 出るころ生育が止まる → 工程1・5 で先に分解 2 塩類集積 表面に白い結晶が浮く 見分け方 EC が 1.0 mS/cm 超なら そのままは使わない → 簡易EC計は3,000円前後 3 団粒構造の崩壊 水が染みず、縁から流れ出る 見分け方 湿った土を握って押しても 崩れなければ、壊れている → 次の図で確かめられます

図2 「土が疲れている」を3つに分解したものです。自分の土がどれに当てはまるかで、手のかけ方が変わります。数値はすべて本文に書いた目安です。

1. 前作の根と有機物が残っている

前作の細い根は、土の中で分解の途中にあります。この分解を進めるのは微生物で、そのとき微生物は土の中の窒素を使います。作物が使うはずだった窒素が先に取られてしまう状態を窒素飢餓といいます。

播いた直後は発芽するのに、本葉が出るころに生育が止まる——この症状の多くはこれです。ふるいがけと熟成期間は、この分解を先に済ませるための工程です。

2. 肥料分が偏り、塩類が残っている

与えた肥料のうち、作物に吸われなかった分は土に残ります。とくにプランターは雨で流れないため、成分が濃くなっていきます。

濃くなった土では、根が水を吸えません(浸透圧の関係で、逆に根から水が出ていきます)。目安として、EC(電気伝導度)が 1.0 mS/cm を超えていたら、そのままの使用は避けます。簡易EC計は3,000円前後で買えますが、無い場合は「白い粉のような結晶が表面に浮いていないか」を見てください。

3. 団粒構造が崩れている

かん水と乾燥を繰り返した土は、小さな粒の集まり(団粒)が壊れて、粉のような状態になります。こうなると水は土の中に入らず、表面を流れて縁から出ていきます。

判定は簡単です。湿った土を握って、指で押しても崩れないなら、団粒は壊れています。 良い状態の土は、握ると固まり、指で軽く押すとほろりと崩れます。

道具なしで分かる ── 団粒の握りテスト 1 握る 湿った土を ぎゅっと握る 2 押す 指で軽く 上から押す ほろりと崩れる 団粒は生きています。ふるいがけから 普通に進めて大丈夫です 固まったまま崩れない 団粒が壊れています。工程3の有機物を しっかり足してください 良い土は「握ると固まり、指で軽く押すとほろりと崩れる」。これだけで判断できます。 道具なしで分かる ── 団粒の握りテスト 1 握る 湿った土を ぎゅっと握る 2 押す 指で軽く 上から押す ほろりと崩れる 団粒は生きています。ふるいがけから 普通に進めて大丈夫です 固まったまま崩れない 団粒が壊れています。工程3の有機物を しっかり足してください 良い土は「握ると固まり、指で軽く押すとほろりと崩れる」。 これだけで判断できます。

図3 EC計もpH計も要りません。湿らせて握る、押す。それだけです。崩れなければ団粒が壊れているので、工程3で足す有機物の量を減らさないでください。

5つの工程

プランター1個(約12L)を想定した手順です。手を動かす時間は合計60分ほど。熱と熟成の待ち時間を含めて、使えるようになるまで3〜4週間です。

下の動画(音声つき・約2分)では、5つの工程の流れと、それぞれ何を見て次へ進むかを順に見られます。

【音声つき・約2分・字幕あり】古い土を再生する5つの工程と、次へ進む目安

工程1|ふるいにかける(30分)

目の粗いふるい(10mm前後)で、根・茎・石・肥料の殻を取り除きます。次に細かいふるい(5mm前後)で、細根と微塵を分けます。

  • 取り除くもの:白い根、前作の茎、目に見える虫、固まった肥料
  • 残すもの:粒状の土。微塵(粉状の部分)は2割程度までなら残してよい

微塵を全部捨てると土が減りすぎます。ここは完璧を目指さないでください。

工程1 ふるいは2段階でかける プランターの古い土 粗いふるい 10mm前後 取り除くもの 白い根・前作の茎・石・目に見える虫・固まった肥料 細かいふるい 5mm前後 分けるもの 細根と微塵(粉状の部分) 微塵は2割まで残してよい ── 全部捨てると土が減りすぎます 工程1 ふるいは2段階でかける プランターの古い土 粗いふるい 10mm前後 取り除くもの 白い根・前作の茎・石・ 目に見える虫・ 固まった肥料 細かいふるい 5mm前後 分けるもの 細根と微塵 (粉状の部分) 微塵は2割まで残してよい 全部捨てると土が減りすぎます

図4 ここは完璧を目指さないでください。微塵を全部落とすと、そのぶん買い足す土が増えます。

工程2|熱を入れる(夏なら1週間・冬は代替手段)

黒いポリ袋に湿らせた土を入れ、口を閉じて日なたに置きます。夏の直射日光なら袋の中は50〜60℃に達します。1日1回、袋の上下を返します。

  • 夏(6〜9月):1週間で十分です
  • 冬:気温が上がらないので、この工程は熱湯(土10Lに対し5L程度)をかけて代替します
  • 電子レンジや鍋で加熱する方法もありますが、においが強く残るため屋内では勧めません

熱を入れるのは、病原菌と雑草の種、それに残った害虫の卵を減らすためです。すべてを無くすことはできません。「減らす」工程だと考えてください。

工程2 熱の入れ方は、季節で変わります 夏(6〜9月) 黒い ポリ袋 50〜60℃ 1日1回、袋の上下を返す 1週間でじゅうぶん 冬(気温が上がらない時期) 熱湯 土 10L に対し 熱湯 5L 程度 電子レンジ・鍋での加熱もできますが、 においが強く残るので屋内では勧めません 目的は「無くす」ことではなく、病原菌・雑草の種・害虫の卵を「減らす」こと 工程2 熱の入れ方は、季節で変わります 夏(6〜9月) 黒い ポリ袋 50〜60℃ 1日1回、袋の上下を返す 1週間でじゅうぶん 冬(気温が上がらない時期) 熱湯 土 10L に対し 熱湯 5L 程度 電子レンジ・鍋での加熱もできますが、 においが強く残るので屋内では勧めません 目的は「無くす」ことではなく、病原菌・雑草の種・ 害虫の卵を「減らす」こと

図5 全部を無くすことはできません。減らす工程だと考えてください。そのうえで、病気が出た土は次のよくある質問も読んでください。

工程3|有機物を足す(20分)

減った有機物を補います。元の土の量に対して、腐葉土または完熟堆肥を2割ほど混ぜます。12Lなら2〜2.5L です。

足すもの12Lあたりの目安主な役割
腐葉土・完熟堆肥2〜2.5L団粒の材料になる。微生物のすみか
くん炭0.5L通気性。ややアルカリ寄りに振れる
赤玉土(小粒)1〜2L目減りした分の補充。粒の骨格

未熟な堆肥(まだ強いにおいがあるもの)は入れないでください。工程1の失敗と同じことが起きます。袋の腐葉土や堆肥が完熟かどうかを手とにおいで確かめる方法は、培養土と腐葉土の違いの「混ぜ方の失敗」に書いています。

工程3 12L の土に、何をどれだけ足すか ふるった古い土 約12L + 腐葉土 2〜2.5L 0.5 赤玉土 1〜2L 腐葉土・完熟堆肥 2〜2.5L … 団粒の材料になる。微生物のすみか(元の量の2割が目安) くん炭 0.5L … 通気性。ややアルカリ寄りに振れるので、工程4のpHと合わせて考える 赤玉土(小粒) 1〜2L … 目減りした分の補充。粒の骨格になる 未熟な堆肥(まだ強いにおいがあるもの)は入れない ── 工程1の失敗と同じことが起きます 工程3 12L の土に、 何をどれだけ足すか ふるった古い土 約12L + 腐葉土 2〜2.5L くん炭 0.5L 赤玉土 1〜2L 腐葉土・完熟堆肥 2〜2.5L 団粒の材料になる。微生物のすみか (元の量の2割が目安) くん炭 0.5L 通気性。ややアルカリ寄りに振れるので、 工程4のpHと合わせて考える 赤玉土(小粒) 1〜2L 目減りした分の補充。粒の骨格になる 未熟な堆肥(まだ強いにおいがあるもの)は 入れない ── 工程1の失敗と 同じことが起きます

図6 量は本文の表と同じです。帯の長さは、およその体積に比例させています。

工程4|pHを合わせる(10分+1週間)

日本の雨は弱酸性で、栽培を続けた土は酸性に傾きます。多くの野菜が好むのは pH 6.0〜6.5 です。

  • 測る:試験紙なら数百円、デジタル式でも2,000円前後
  • 直す:pH 5.5 なら苦土石灰を12Lあたり10〜15g
  • 石灰を入れたら1週間空けます。 石灰と肥料(とくに窒素分)を同時に入れると、アンモニアが揮発して肥料分が飛びます

pHが 6.0〜6.5 の範囲に入っていれば、この工程は飛ばして構いません。

工程4 pH は 6.0〜6.5 に入っていればいい 6.0〜6.5 5.05.56.06.57.07.5 ← 酸性に傾く(雨と栽培でこちらへ) アルカリ性 → 多くの野菜が好む範囲 測って 5.5 だったら 苦土石灰 12L あたり 10〜15g 石灰を入れたら、肥料を入れる前に1週間空ける 同時に入れると、アンモニアが揮発して肥料分が飛びます 工程4 pH は 6.0〜6.5 に 入っていればいい 多くの野菜が好む範囲 6.0〜6.5 5.05.56.06.57.07.5 ← 酸性に傾く(雨と栽培でこちらへ) アルカリ性 → 測って 5.5 だったら 苦土石灰 12L あたり 10〜15g 石灰を入れたら、肥料を入れる前に 1週間空ける 同時に入れると、アンモニアが揮発して 肥料分が飛びます

図7 測定は試験紙なら数百円、デジタル式でも2,000円前後です。すでに 6.0〜6.5 に入っていれば、この工程はまるごと飛ばせます(=図1の1週間が縮みます)。

工程5|熟成させる(2週間)

袋または容器に入れ、日陰で寝かせます。水分は「握ると固まるが、水は垂れない」程度。週に1回、上下を混ぜます。

判断の目安はにおいです。土のにおい(森の下草のようなにおい)になっていれば完了。酸っぱいにおい、アンモニア臭が残っていれば、まだ分解が終わっていません。あと1週間置きます。

工程5 終わったかどうかは、においで分かります 日陰で2週間 週1回まぜる 水分は「握ると固まるが、水は垂れない」程度 においを嗅ぐ 森の下草のようなにおい 完了 次の作に使えます 酸っぱい・アンモニア臭 あと1週間 まだ分解が終わっていません 冬は分解が遅くなるので、はじめから3週間みておくと確実です。 工程5 終わったかどうかは、 においで分かります 日陰で2週間 週1回まぜる 水分は「握ると固まるが、 水は垂れない」程度 においを嗅ぐ 森の下草のような におい 完了 次の作に使えます 酸っぱい・ アンモニア臭 あと1週間 まだ分解が 終わっていません 冬は分解が遅くなるので、はじめから 3週間みておくと確実です。

図8 道具は要りません。嗅いで決めます。ここを待てるかどうかで、次の作の生育が変わります。

一般的なやり方は3通り。それぞれの限界も書きます

再生の方法は、大きく3つに分かれます。

方法費用(プランター1個)所要日数向いている人
市販の再生材を混ぜる300〜600円2週間配合を考えたくない人
自分で有機物を配合する200〜500円2〜3週間材料が手元にある人
太陽熱消毒だけで済ませる0円1週間+2週間夏に時間が取れる人

正直に書くと、どの方法を選んでも、ふるいがけと熟成の2週間は省けません。 ここを短縮しようとした結果が、次の作の生育不良になります。

市販の再生材はどのメーカーのものでも一定の役目を果たしますし、いちばん手軽です。ただし毎年買い足す必要があり、プランター3個なら年間2,000〜3,000円ほど。工程そのものが減るわけではない、という点は知っておいてよいと思います。

実際に比べた記録

前作のミニトマトを片付けたプランターの土を、上の5工程で再生しました。

プランターで育てているミニトマトの株元を接写した写真

【この欄は記録を取り次第、数値を入れます】
比較の条件:標準プランター(50×23×20cm)2個/同一の種/同じベランダの同じ列/かん水は同時・同量。片方は前作の土を5工程で再生したもの、もう片方は新品の培養土。
播種日:(記入) 収穫日:(記入) 品目・品種:(記入)
収穫重量:再生土(記入)g / 新品培養土(記入)g
気づいたこと:(葉色・株の大きさのばらつき・失敗した点)

数字が出るまで、ここに推測は書きません。差が出なかった場合も、そのまま載せます。

よくある質問

病気が出た土も再生できますか

できるとは書けません。 立枯れや青枯れが出た土は、家庭でできる熱処理では病原菌を十分に減らせない場合があります。同じ科の作物を続けて植えるのは避け、心配なら花や葉物に回してください。どの野菜が同じ科か、何年あけるかは連作障害とはの早見表で確かめられます。

何回まで再生できますか

回数の上限は決まっていません。ただし毎回2割ほど目減りするため、3〜4回で元の量の半分近くになります。減った分は新しい土を足して補います。

再生した土に、そのまま肥料を入れてよいですか

工程4で石灰を入れた場合は、1週間空けてから元肥を入れてください。同時に入れると窒素分が揮発します。

冬でも再生できますか

できます。ただし工程2の太陽熱消毒が効かないため熱湯で代替し、工程5の熟成も分解が遅くなるぶん3週間はみておきます。

毎年5工程を回すのが負担なら

毎年この5工程を回すのが負担なら、「配合を考える工程だけを外に出す」という選択肢があります。足す土を、あらかじめ配合されたものに置き換えるやり方です。

そう言える理由は、2つあります。

理由1|手を動かす60分のうち、悩むのは工程3だけ

5工程のうち、実際に手を動かす時間は合計60分です。残りはすべて「待つ時間」で、こちらは短縮のしようがありません。そして毎回あたまを使うのは、工程3の配合だけです。ふるいがけは考えることがなく、pH調整は測って足すだけ。配合だけが、去年と同じでいいのか毎回迷います。

手を動かす時間 合計60分 工程1 ふるい 30分・考えることなし 工程3 配合 20分・毎回ここで迷う 工程4 pH 10分 待つ時間 約4週間 ← ここは短縮できない 工程2 熱 1週間 工程4 pH待ち 1週間 工程5 熟成 2週間 外に出せるのは、この20分だけ 配合済みの土を足せば、迷う工程が消える 手を動かす時間 合計60分 工程1 ふるい 30分・考えることなし 工程3 配合 20分・毎回ここで迷う 工程4 pH 10分 待つ時間 約4週間 ← ここは短縮できない 工程2 熱 1週間 工程4 pH待ち 1週間 工程5 熟成 2週間 外に出せるのは、この20分だけ 配合済みの土を足せば、迷う工程が消える

図9 所要時間は本文の各工程に書いた数字を並べたもの。棒の長さは時間に比例させています。ふるいがけと熟成は土に付き合う時間なので、どうやっても減りません。

理由2|再生を続けるかぎり、毎年「足す土」が要る

この記事のよくある質問に書いたとおり、再生のたびに土は2割ほど目減りします。標準プランター1個(約12L)から始めると、4年目には元の半分近くまで減ります。つまり再生は「タダで済む方法」ではありません。毎年、減った分を買って足すことになります。

標準プランター1個(約12L)を再生し続けると 元の量 12L 12L 1年目 9.6L 2年目 7.7L 3年目 6.1L 4年目 足す分 橙の点線が、毎年ここまで買い足すことになる量です。 標準プランター1個(約12L)を 再生し続けると 元の量 12L 1年目 12L 2年目 9.6L 3年目 7.7L 4年目 6.1L 足す分 橙の点線が、毎年ここまで買い足す量です。

図10 目減り2割は本文のよくある質問に書いた数字。12Lから毎回8割が残るとして計算しました(12 → 9.6 → 7.68 → 6.14L)。実際は作物や管理で前後します。

ここまでが理由です。足す量が増えるほど効いてくるのは、1リットルあたりいくらか、という数字になります。

私が足しているもの ── 2種類あって、量で使い分けます

私が使っているのは畑懐(はふう)の土です。「畑(はたけ)」と「懐(ふところ)」の2種類があり、足したい量で選び方が変わります。

同じ1リットルを足すのに、いくらかかるか 畑 12L 約202円 / L 1袋 2,420円(税込) 懐 1L 1,100円 / L 1袋 1,100円(税込) ただし 「懐」は1袋で完結して置き場所を取りません。「畑」は12L入りなので、 使い切るまでの保管場所が要ります。量を足すなら畑、置き場所がないなら懐。 同じ1リットルを足すのに、 いくらかかるか 畑 12L 約202円 / L 1袋 2,420円(税込) 懐 1L 1,100円 / L 1袋 1,100円(税込) ただし 「懐」は1袋で完結して置き場所を 取りません。「畑」は12L入りなので、 使い切るまでの保管場所が要ります。 量を足すなら畑、置き場所がないなら懐。

図11 価格・容量はいずれも販売ページの記載(2026年9月時点・税込)。1リットルあたりは価格を容量で割った値です。棒の長さは1リットルあたりの価格に比例させています。

畑懐の土 畑畑懐の土 懐
容量12リットル1リットル
価格(税込)2,420円1,100円
1リットルあたり約202円1,100円
使い方(販売ページの記載)そのままプランターに入れて使う。他の土と混ぜても使える。種まきの土としても使える栽培後の古い土に混ぜて使う。他の培養土に混ぜても使える
1袋の目安普通サイズのプランター1個分(50×23×20cm)普通サイズのプランター1個に1袋
向いている場面土を丸ごと立て直す/新しいプランターも同時に立ち上げる/何年かぶんまとめて減った分だけ足す/置き場所がない/まず試してみたい
足したい土は、どのくらい? = 減った量。12Lなら2割で約2.4L 1リットルくらい 減った分をちょっと足したい 懐 1L 1,100円(税込) 数リットル〜12リットル 丸ごと立て直す・別の鉢にも使う 畑 12L 2,420円(税込)= 約202円/L 3年目・4年目まで再生を続けているなら、足す量は2.4Lでは足りません。右になります。 足したい土は、どのくらい? = 減った量。12Lなら2割で約2.4L 1リットルくらい 減った分を ちょっと足したい 懐 1L 1,100円(税込) 数リットル〜 12リットル 丸ごと立て直す・ 別の鉢にも使う 畑 12L 2,420円(税込) = 約202円/L 3年目・4年目まで再生を続けているなら、 足す量は2.4Lでは足りません。右になります。

図12 どちらが優れているという話ではなく、足す量で決まります。金額はいずれも2026年9月時点の販売ページの記載です。

この記事で使っている土

畑懐の土 畑(はふうのつち はたけ)12リットルの商品パッケージ

畑懐の土 畑(はふうのつち はたけ)

12リットル 2,420円(税込) = 1リットルあたり約202円

そのままプランターに入れて使えます。1袋で普通サイズのプランター1個分(50×23×20cm)。他の土に混ぜても、種まきの土としても使えます。能源 web shop の売れ筋ランキング1位(2026年9月時点・当店調べ)。

送料(ゆうパック・税込)は北海道670円/関東・信越1,050円/近畿1,480円/中国・四国・九州・沖縄1,590円。注文後7日以内に発送。到着後7日以内なら返品できます(お客様都合の返品送料はご負担いただきます)。

減った分に少しだけ混ぜたい方は、補充用の 畑懐の土 懐(1L・1,100円) もあります。/ この土で育てた野菜の分析データと、一般の培養土との生育比較は 分析データのページにまとめています。

先に、この土を選ばない理由も書いておきます

売っている側が書くことなので、いいところだけ並べても仕方がありません。読む前に浮かぶであろう疑問に、先に答えます。

疑問答え
ホームセンターの培養土のほうが安いのでは安いです。価格だけで選ぶなら、そちらのほうが合理的です。この土を選ぶ理由があるとすれば、中身の分析値を公開していることと、作っている人間の顔が分かることの2点だけです
これを入れれば連作障害は出ませんか出ないとは書けません。「懐」の使用方法には「同じ科の植物の連作は避けます」と明記されています。土を替えれば連作してよい、という話ではありません。対策は輪作が先です
肥料は要らなくなりますか要ります。これは肥料ではありません。販売ページにも「栽培する植物に合わせて元肥を入れ追肥してください」と書かれています
再生をやめて、これだけにできますかできますが、割高になります。ふるいがけと熟成は土に付き合う時間で、お金では買えません。この土は再生を置き換えるものではなく、工程3を置き換えるものです
送料が高くつきませんか地域によっては商品代の半額以上かかります(沖縄1,590円)。1袋だけ買うと送料負けします。まとめて買うか、他の買い物と合わせるほうが合理的です

ここまでをまとめます。再生を続けるかぎり「足す土」は毎年必要になり、量が増えるほど1リットルあたりの単価で選ぶことになります。減った分をちょっと足すだけなら「懐」、丸ごと立て直すなら「畑」。試すなら、まず1プランターぶんから。それでいちばん小さく確かめられます。


この記事について 当サイトの運営者は、記事内で紹介した土を取り扱っています。価格・仕様は変わることがあるため、購入前に販売ページでご確認ください。栽培の結果には、環境・品種・季節・管理による差があります。EC値・pH値の目安は一般的な栽培指針にもとづくもので、作物によって適正値は異なります。

この記事を書いた人

中澤 由幸(なかざわ よしゆき)

能源有限会社/北海道勇払郡むかわ町穂別

明治38年から四代続く中澤農園の三代目。稲作からメロン中心の蔬菜へ農園を転換させ、いまは四代目の和晴(息子)が農園を継いでいます。生体システム実践研究会の会員として、一部の作物で生体エネルギー技術を用いた栽培を実践。収穫物は日本食品分析センター、デザイナーフーズ株式会社に出して測っています。記事の内容は、すべて自分の畑と手で確かめた範囲で書いています。

→ プロフィールと、書き方の方針