ぼかし肥料の作り方|米ぬかで少量から、失敗しない水分と見分け方

精米のたびに出る米ぬかは、畑の肥料としてはいちばん身近な材料です。ところが、そのまま畑にまくと、カビが広がり、虫が寄り、まいた場所の苗の育ちがかえって止まることがあります。米ぬかが悪いのではありません。土の中で一気に分解が始まり、その勢いに作物の根が巻き込まれるのです。ぼかし肥料は、その「一気に」を土の外で先に済ませておくための作り方です。

この記事の結論 ぼかし肥料づくりで結果を分けるのは、材料の種類よりも水の量と温度です。家庭菜園なら、ポリ袋1袋ぶんを密閉して寝かせる方法がいちばん失敗が少なく、使う日から逆算して1〜2か月前に仕込めば間に合います。
この記事でわかる3つのこと 1 何のために作るか 土の中で起きる分解を 土の外で先に済ませ、 効き方を穏やかにする 「ぼかす」=角を取る 2 失敗の大半は水 握って固まり、 指で押すと崩れる くらいで止める 水がにじんだら入れすぎ 3 いつ仕込むか 使う日から逆算して 1〜2か月前に仕込む 寒い時期は長めに 植え付けは施用の2週後 この記事でわかる3つのこと 1 何のために作るか 土の中で起きる分解を 土の外で先に済ませ、 効き方を穏やかにする 「ぼかす」=角を取る 2 失敗の大半は水 握って固まり、 指で押すと崩れる くらいで止める 水がにじんだら入れすぎ 3 いつ仕込むか 使う日から逆算して 1〜2か月前に仕込む 寒い時期は長めに 植え付けは施用の2週後

この記事の色の使い分け ― ■ 緑=そうしたほうがよいこと・うまくいっている状態 / ■ 橙=注意すること・つまずきの原因 / ■ 藍=水と時間に関すること

この記事の目次
  1. ぼかし肥料とは — 生の米ぬかと化成肥料の「あいだ」
  2. ぼかし肥料の材料 — 家庭菜園なら、ポリ袋1袋ぶんで足りる
  3. 袋で密閉するか、切り返すか — 2つの作り方
  4. ぼかし肥料の作り方 — ポリ袋で仕込む5つの手順
  5. 寒い時期・寒い土地で仕込むときの注意
  6. できあがりの見分け方 — 使えるぼかし、使えないぼかし
  7. 3月の元肥に間に合わせる — 逆算カレンダー
  8. ぼかし肥料の使い方 — 元肥と追肥
  9. 失敗するのは、だいたいこの3パターン
  10. よくある質問
  11. まとめ

ぼかし肥料とは — 生の米ぬかと化成肥料の「あいだ」

ぼかし肥料(ぼかし肥)とは、米ぬか・油かすなどの有機質の肥料に、土やもみ殻を混ぜ、微生物の力で途中まで発酵させたものです。「ぼかす」は、肥料の強さの角を取ってやわらげるという意味です。生の有機物ほど土の中で暴れず、化成肥料ほど一度に効きすぎない。そのあいだの効き方をねらって作ります。

生の米ぬかぼかし肥料堆肥化成肥料
何のために入れるか肥料肥料土の体質づくり肥料
効き始め土の中で分解が進んでから比較的早いゆっくりすぐ
入れる量少量少量(ひと握り単位)多量(バケツ単位)少量
土の中で起きやすいこと急な分解・カビ・虫・一時的な窒素不足おだやかおだやか入れすぎると根を傷める
自分で作れるか―台所の道具で作れる場所と時間が要る作れない
ぼかし肥料は堆肥の代わりにはならない ぼかしは「肥料」です。ひと握り単位で入れるもので、土をふかふかにするほどの量は入れられません。 土の水はけや団粒構造を変えたいなら、堆肥や敷き草などの有機物を別に考えてください。団粒構造の仕組みと、敷き草の使い方は不耕起栽培とはで説明しています。ぼかしだけを大量に入れると、肥料が効きすぎて根を傷めます。
分解の「山場」を、どこで越えさせるか 生の米ぬかを畑にまく まいた日 数週間後 土の中 分解の山場が畑の中 熱・ガス・カビ・虫 根のそばで一時的に 窒素の取り合い ぼかしてから畑に入れる 仕込んだ日 畑に入れる 数週間後 袋の中(土の外) 土の中 山場は袋の中 土の中では おだやかに効く 分解の「山場」を、どこで越えさせるか 生の米ぬかを畑にまく まいた日 数週間後 土の中 分解の山場が畑の中 熱・ガス・カビ・虫 根のそばで一時的に 窒素の取り合い ぼかしてから畑に入れる 仕込んだ日 畑に入れる 数週間後 袋の中(土の外) 土の中 山場は袋の中 土の中では おだやかに効く

曲線は分解の勢いを表したイメージで、実測値ではありません。米ぬかのように分解しやすい有機物は、土に入ると微生物が一気に増え、そのとき土の中の窒素を先に取り込みます。作物が一時的に窒素不足になるのはこのためです。

ぼかし肥料の材料 — 家庭菜園なら、ポリ袋1袋ぶんで足りる

作り方を調べると、米ぬか何十kg、油かす何十kgという農家向けの配合がよく出てきます。家庭菜園でそこまで作ると、使い切る前に古くなります。材料は役割で覚えておけば、手に入るもので組み替えられます。

役割代表的な材料なくてもいいか
発酵のエサ・主な肥料分米ぬか(精米所・コイン精米機で手に入る)必須。これがないとぼかしにならない
窒素を足す油かす(菜種油かすなど)あったほうがよい。米ぬかだけだと窒素がやや少ない
リン酸を足す魚粉・骨粉なくてもよい。果菜類に使うなら少し足す
微生物のタネ畑の土・腐葉土・前回のぼかし身近なもので足りる。市販の発酵促進剤は必須ではない
すき間と水分の調整もみ殻・もみ殻くん炭なくてもよい。水を入れすぎたときの逃げ道になる
水水道水(冬はぬるま湯)量がいちばん大事

家庭菜園で使い切りやすい量の例を示します。一般によく使われる配合を、ポリ袋1袋ぶんに縮めた目安です。材料の粒の大きさや乾き具合で水の入り方は変わるので、水の量は数字より次の章の「握り判定」を優先してください。

材料ポリ袋1袋(45L袋に半分弱)バケツ1杯(10L前後)
米ぬか2kg1kg
油かす1kg500g
畑の土または腐葉土ひと握り〜500gひと握り
もみ殻(あれば)両手に1杯片手に1杯
水600〜900mL を少しずつ300〜450mL を少しずつ
できあがりで使える範囲家庭菜園の畝 数本ぶんの元肥プランター数個〜小さな畝1本
ポリ袋1袋ぶんの配合(一般的な目安) 米ぬか 2kg 発酵のエサ・主な肥料分 油かす 1kg 窒素を足す 土・腐葉土 〜500g 微生物のタネ もみ殻 両手に1杯 すき間を作る(なくても可) 水 600〜900mL 一度に入れない。3回に分けて握って決める ポリ袋1袋ぶんの配合(一般的な目安) 米ぬか 2kg 発酵のエサ・主な肥料分 油かす 1kg 窒素を足す 土・腐葉土 〜500g 微生物のタネ もみ殻 両手に1杯 すき間を作る(なくても可) 水 600〜900mL 一度に入れない。3回に分けて握って決める

水の量は「乾いた材料の重さの2〜3割」がよく言われる目安です。ただ、米ぬかは袋ごとに湿り気が違うので、表の数字はあくまで出発点です。

袋で密閉するか、切り返すか — 2つの作り方

ぼかし肥料の作り方は、大きく2つに分かれます。空気を断って寝かせる「嫌気(けんき)発酵」と、空気に触れさせながら混ぜる「好気(こうき)発酵」です。どちらが正しいということはなく、置き場所と手間のかけ方で選びます。

空気を断つか、空気を入れるか 嫌気発酵 = 袋で密閉して寝かせる 口を縛る 乳酸菌・酵母が中心 途中で開けない・混ぜない 家庭菜園向き 好気発酵 = 山にして切り返す 温度が大きく上がる 数日おきに全体を混ぜる 場所・手間・においに注意 空気を断つか、空気を入れるか 嫌気発酵 = 袋で密閉して寝かせる 口を縛る 乳酸菌・酵母が中心 途中で開けない・混ぜない 家庭菜園向き 好気発酵 = 山にして切り返す 温度が大きく上がる 数日おきに全体を混ぜる 場所・手間・においに注意
嫌気発酵(袋で密閉)好気発酵(切り返し)
手間仕込んだら置いておくだけ数日おきに全体を混ぜる
場所袋1つ置ける日陰山を作って混ぜられる広さ
におい甘酸っぱい、ぬか漬けのような発酵中は強め。住宅地では気をつかう
温度あまり上がらない大きく上がり、湯気が出る
できるまで気温しだいで1〜2か月(一般的な目安)2〜4週間ほど(一般的な目安)
つまずきやすい所水の入れすぎで腐る混ぜ忘れて一部が腐る・乾きすぎて止まる
はじめてなら、袋の嫌気発酵から 量が少ない家庭菜園では、山にしても温度が上がりきらず、好気発酵の良さが出にくいことがあります。ポリ袋で密閉する方法なら、ベランダでも物置でも、手間をかけずに作れます。 この記事の手順も、嫌気発酵で説明します。

ぼかし肥料の作り方 — ポリ袋で仕込む5つの手順

用意するものは、材料のほかに大きめのたらい(またはブルーシート)、厚手のポリ袋を2枚、じょうろか霧吹きだけです。ポリ袋は破れたときのために二重にします。

手順1|乾いたまま、先によく混ぜる

米ぬか・油かす・土(腐葉土)・もみ殻を、水を入れる前にたらいの中でむらなく混ぜます。水を先に入れると、米ぬかだけがだまになって、そこから腐りやすくなります。

手順2|水は3回に分けて入れ、そのつど握る

じょうろで少しずつ水をかけ、手でもみ込むように混ぜます。予定量の半分を入れたところで、一度握って確かめます。 足りなければ残りを2回に分けて足します。ぼかし肥料づくりでいちばん大事なのが、この水分の判定です。

下の動画(音声つき・約2分)では、生の米ぬかが土の中で何を起こすのかから、水の握り判定、置き場所の温度、できあがりの見分け方、仕込む時期までを、絵で順に見ていきます。

【音声つき・約2分・字幕あり】米ぬかが土で暴れる理由と、水の握り判定・温度・できあがりの見分け方
水分の判定 — ひと握りして、開いて、指で押す △ ぱらぱら崩れる 握っても形にならない 水が足りない 発酵が進まない ◎ 固まって、押すと崩れる 指先で押すとほろりと割れる ちょうどよい ここで水を止める ✕ 水がにじむ 指のあいだから水が出る 入れすぎ。腐る原因 乾いた米ぬかを足して戻す 水分の判定 — ひと握りして、 開いて、指で押す △ ぱらぱら崩れる 握っても形にならない 水が足りない 発酵が進まない ◎ 固まって、押すと崩れる 指先で押すとほろりと割れる ちょうどよい ここで水を止める ✕ 水がにじむ 指のあいだから水が出る 入れすぎ。腐る原因 乾いた米ぬかを足して戻す

入れすぎた水は抜けませんが、乾いた米ぬかやもみ殻を足せば戻せます。足りないより、入れすぎのほうが失敗につながります。迷ったら少なめで止めてください。

手順3|袋に詰め、空気を押し出して口を縛る

二重にしたポリ袋へ入れ、上から押して空気をできるだけ抜いてから口を縛ります。袋の中に空気が多く残ると、表面にカビが広がりやすくなります。袋ごと段ボール箱に入れておくと、破れと温度の変化の両方を防げます。

手順4|日陰の、冷えすぎない場所に置く

直射日光の当たらない場所に置きます。途中で袋を開けたり、混ぜたりはしません。 開けるたびに空気が入り、雑菌が増えるきっかけになります。

手順5|においと見た目で、できあがりを判断する

日数はあくまで目安で、できたかどうかは袋を開けたときのにおいと見た目で決めます。見分け方は、このあと図で示します。

できあがりまでの日数は、気温で決まる 一般的な目安は、暖かい時期なら1か月前後、寒い時期なら2か月ほどです。同じ配合でも、置き場所の温度が違えば日数はまったく変わります。カレンダーの日付ではなく、においと見た目で判断してください。

寒い時期・寒い土地で仕込むときの注意

うちの農園がある北海道では、冬の物置は氷点下になります。微生物は寒いと働きが鈍り、発酵はほとんど止まります。 止まっただけなら暖かくなれば再開しますが、水気の多い材料が長く止まったままだと、腐る側に傾くことがあります。春に使いたいぼかしを冬に仕込むときは、温度の手当てが要ります。

置き場所の温度と、発酵の進み方(一般的な目安) 30℃ 20℃ 10℃ 0℃ 15〜30℃ = 進みやすい 春・秋の屋内、夏の日陰。1か月前後で仕上がることが多い 10〜15℃ = ゆっくり 日数を長めに見る(2か月ほど) 10℃未満 = ほとんど進まない 冬の物置・車庫。暮らす側へ移すか、箱で冷え込みをやわらげる 置き場所の温度と、発酵の進み方 (一般的な目安) 30℃ 20℃ 10℃ 0℃ 15〜30℃ = 進みやすい 春・秋の屋内、夏の日陰。 1か月前後で仕上がることが 多い 10〜15℃ = ゆっくり 日数を長めに見る (2か月ほど) 10℃未満 = ほとんど進まない 冬の物置・車庫。 暮らす側へ移すか、 箱で冷え込みをやわらげる

温度の区切りは、発酵の進み方を読むための大まかな目安です。材料の配合や量でも変わります。

寒い時期にやることねらい
置き場所を暮らす側へ(玄関・廊下・暖房のない部屋)氷点下を避けるだけで発酵が止まりにくくなる
発泡スチロール箱に入れる夜の冷え込みをやわらげる
仕込みの水をぬるま湯にする発酵の立ち上がりを助ける
量を少なくしすぎない量が少ないほど冷えやすい。バケツ1杯より袋1袋のほうが温度を保ちやすい
日数を長めに見る2か月を目安に、においで判断する
暖房の真横に置くやらない。乾きすぎと、においのこもりの原因になる
「冬に外へ置いたまま」が、寒い土地のいちばんの失敗 寒い土地の春はまだ冷えるので、冬のあいだに仕込んでおく人が多いはずです。ところが屋外に置いたままでは、春まで発酵がほとんど進みません。雪解けに袋を開けたら、仕込んだときのままだったということが起きます。冬の仕込みは、屋内が前提です。

できあがりの見分け方 — 使えるぼかし、使えないぼかし

袋を開けて判断するのは、におい・カビの色・手ざわりの3つです。とくにカビは「生えたら失敗」と思われがちですが、白いカビはむしろうまくいっている印です。

袋を開けたら、この順に見る ◎ 使える におい 甘酸っぱい・みそ・ぬか漬け カビ 白い綿のような菌がうっすら 手ざわり さらっとして、手にべたつかない 白カビは混ぜ込んでそのまま使う ✕ 使わない におい どぶのような腐敗臭・鼻をつくアンモニア臭 カビ 黒・青緑のカビが広い範囲に 手ざわり べたつく・糸を引く・水がたまる 畑には入れず、堆肥の山へ回す 袋を開けたら、この順に見る ◎ 使える におい 甘酸っぱい・みそ・ぬか漬け カビ 白い綿のような菌がうっすら 手ざわり さらっとして、手にべたつかない 白カビは混ぜ込んでそのまま使う ✕ 使わない におい どぶのような腐敗臭・鼻をつくアンモニア臭 カビ 黒・青緑のカビが広い範囲に 手ざわり べたつく・糸を引く・水がたまる 畑には入れず、堆肥の山へ回す

黒や青緑のカビが表面の一部だけなら、その部分を取り除いて残りを判断します。全体に広がっていれば、ぼかしとしては使わず、堆肥づくりの材料として時間をかけて分解させてください。

袋を開けて考えられる原因次からの対処
腐敗臭・べたつく水の入れすぎ握り判定で「押すと崩れる」で止める。もみ殻を入れる
アンモニア臭窒素の多い材料(油かす・魚粉)が多すぎる、水が多い油かすを減らし、米ぬかの割合を上げる
黒・青緑のカビ空気が残っていた、途中で開けた空気をしっかり抜いて縛る。完成まで開けない
変化がない・粉のまま水が足りない、または寒すぎる水を足して握り直す。暖かい場所へ移す
ウジがわいた仕込み中や開けたときにハエが卵を産んだ袋の口を固く縛る。表面をもみ殻や新聞紙で覆う。夏は屋内の涼しい場所で
迷ったら、少量を試す においの判断に自信がなければ、できたぼかしをひと握りだけ、作物のない畝の端に入れて1週間ようすを見る方法があります。まわりに黒いカビが広がったり、嫌なにおいが残ったりするなら、まだ使う段階ではありません。

3月の元肥に間に合わせる — 逆算カレンダー

ぼかし肥料は、作ろうと思った日に使えるものではありません。春の植え付けに元肥として使うなら、植え付けの日から逆に数えて仕込み日を決めます。 寒い時期に仕込むほど、逆算の幅は長くなります。

植え付け日から、さかのぼって仕込む(春植えの例) 12月1月2月 3月4月5月 仕込む 屋内で寝かせる(1〜2か月) 畑へ入れる 2週 なじませる 植え付け 寒い土地は → 全体を2週間〜1か月、後ろへずらす(植え付けが遅いぶん) 植え付け日から、 さかのぼって仕込む(春植えの例) 12月1月2月 3月4月5月 仕込む 屋内で寝かせる (1〜2か月) 畑へ入れる 2週 なじませる 植え付け 寒い土地 寒い土地は、全体を2週間〜1か月 後ろへずらす(植え付けが遅いぶん)

図は暖かい地域の春植えの一例です。植え付け日が違えば、同じ幅でずらしてください。秋冬野菜に使うなら、夏の暑い時期に仕込むので、寝かせる期間は短くなります。

3月に使いたいなら、仕込みは「1月の終わり」が目安 ぼかし肥料の検索がいちばん増えるのは3月です。ところが3月に作り方を調べて仕込むと、使えるのは早くて4月になります。春の元肥に間に合わせたいなら、冬のうちに、屋内で仕込んでおくのがいちばん確実です。

ぼかし肥料の使い方 — 元肥と追肥

ぼかしは肥料なので、量はひと握り単位で考えます。下の量は一般的な目安です。作物の種類と、畑にもともと残っている肥料分によって増減してください。

使い方量の目安入れ方時期
元肥(畑)1㎡あたり 100〜200g ほど表土10〜15cm によく混ぜる植え付けの2週間前
元肥(プランター)65cm プランター1個にひと握り〜ふた握り用土全体に混ぜる植え付けの1〜2週間前
追肥1株にひと握り弱株元から少し離してまき、軽く土をかける生育の途中、葉色が薄くなってきたら
やらないこと植え穴にかたまりで入れる/根に直接ふれさせる/表面にまいたまま土をかけない(虫とカビの原因)
入れてすぐ植えない理由 ぼかしは発酵を途中まで進めたものなので、土に入ってからも分解が少し続きます。そのあいだはガスや熱が出たり、微生物が窒素を取り込んで作物に回らなかったりします。根がまだ小さい苗や種ほど、この影響を受けます。 元肥として入れたら、1〜2週間空けてから植え付けてください。

できたぼかしの保存

やること理由
広げて乾かしてから袋に戻す発酵をそこで止め、状態を保ちやすくする
袋の口を閉じ、日陰の涼しい場所に湿気と虫を防ぐ
使い切りの目安は数か月時間がたつほど効き方が変わる。次の作付けまでに使い切る量を作る
次回の「タネ」として少し残す次に仕込むとき、土の代わりにひと握り混ぜると立ち上がりが早い

失敗するのは、だいたいこの3パターン

パターン何が起きるか防ぎ方
1. 水を入れすぎる袋の中で腐り、黒いカビと腐敗臭が出る水は3回に分け、握って「押すと崩れる」で止める
2. 寒い場所に置く春まで発酵が進まず、使う日に間に合わない冬は屋内へ。日数は長めに見る
3. 入れてすぐ植える苗の育ちが止まる、根が傷む元肥は植え付けの2週間前に入れる
一度にたくさん作らない はじめての年は、バケツ1杯ぶんを試しに作り、においと見た目を覚えるところから始めるのが確実です。成功したぼかしのにおいを一度知っておくと、次からは袋を開けた瞬間に判断できます。うまくいったぼかしは、次に仕込むときのタネとしてひと握り残しておけます。

よくある質問

米ぬかだけでぼかし肥料は作れますか

作れます。米ぬかに畑の土をひと握り混ぜ、水分を調整して密閉すれば発酵は進みます。ただし米ぬかだけだと窒素がやや少なめなので、葉ものや生育期間の長い作物に使うなら、油かすを加えるか、追肥で補う前提で組んでください。

白いカビが生えましたが、使えますか

使えます。白い綿のようなカビは、発酵がうまく進んでいるときによく見られるもので、そのまま混ぜ込んで使って構いません。 使わないほうがよいのは、黒や青緑のカビが広い範囲に出ているとき、腐敗臭や鼻をつくアンモニア臭がするときです。

作ったぼかし肥料はどれくらい保存できますか

広げてよく乾かし、袋の口を閉じて涼しい日陰に置けば、数か月は使えるのが一般的です。ただし時間がたつほど効き方は変わるので、次の作付けで使い切れる量を作るのがいちばん確実です。湿気を吸ってカビが広がったものは使わないでください。

ぼかし肥料だけで、肥料は足りますか

作物と畑しだいです。元肥としてぼかしを入れ、足りない分を追肥で補うのが基本の考え方です。ぼかしは土をふかふかにする資材ではないので、土の水はけや団粒構造を変えたい場合は、堆肥や敷き草など別の有機物を組み合わせてください。

まとめ

何のために作るか分解の山場を土の外で越えさせ、効き方を穏やかにする
材料米ぬか・油かす・畑の土。家庭菜園ならポリ袋1袋ぶんで足りる
作り方乾いたまま混ぜる → 水は3回に分けて握って決める → 空気を抜いて密閉 → 開けずに寝かせる
見分け方甘酸っぱいにおい・白いカビは使える/腐敗臭・アンモニア臭・黒や青緑のカビは使わない
いつ仕込むか使う日の1〜2か月前。冬は屋内で。寒い土地は長めに
使い方ひと握り単位。元肥は植え付けの2週間前

ぼかし肥料は、材料そのものより土の中の微生物に何をどう渡すかの工夫です。袋の中で起きていることは、畑の土の中で起きていることの縮図でもあります。においと手ざわりで判断できるようになると、自分の畑の土を見る目も少し変わってきます。

土そのものの微生物の量を、数字で見てみる

ぼかし肥料は、土の中の微生物に渡すエサです。では、エサを受け取る側の土には、どれくらいの微生物がいるのか。うちで使っている培養土と市販の培養土で微生物の量を測った比較と、第三者機関に出した分析の結果を、良かった数字も伸びなかった数字もそのまま公開しています。

→ 培養土の分析データを見る

関連記事:古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順|夏野菜のあとのプランター(プランターの土にぼかしを混ぜる前に)
不耕起栽培とは|耕さない畑で土が変わる仕組みと、家庭菜園での始め方(耕さない畑での肥料の置き方)

この記事を書いた人

中澤 由幸(なかざわ よしゆき)

能源有限会社/北海道勇払郡むかわ町穂別

明治38年から四代続く中澤農園の三代目。稲作からメロン中心の蔬菜へ農園を転換させ、いまは四代目の和晴(息子)が農園を継いでいます。生体システム実践研究会の会員として、一部の作物で生体エネルギー技術を用いた栽培を実践。収穫物は日本食品分析センター、デザイナーフーズ株式会社に出して測っています。記事の内容は、すべて自分の畑と手で確かめた範囲で書いています。

→ プロフィールと、書き方の方針