プランターの土は処分できるのか|自治体の扱いと、捨てない選択肢

夏野菜が終わって、プランターに土が残っている。ベランダに袋のまま置いてある。これを捨てたい——そう思って検索した人が、いちばん最初に知るべきことから書きます。

多くの自治体で、土は家庭ごみとして出せません。ごみ袋に入れて出すことも、粗大ごみに出すこともできない、という自治体が大半です。これは自治体が不親切なのではなく、法律上の理由があります。

出せないとなると、行き先は3つに絞られます。引き取ってもらう・敷地内で使い切る・手を入れてもう一度使う。このうち費用がかからないのは、あとの2つだけです。そして先に言っておくと、この3つのうち2つは、条件が合わないと使えません。

使い終わった土 プランター1個ぶん ごみに出す 多くの自治体で収集の対象外 引き取ってもらう 販売店・業者。費用がかかる 戻して、もう一度使う 手間はかかる。費用はいちばん軽い

図1/使い終わった土の行き先は3つ。いちばん上の道は、多くの地域で最初から閉じている。

この記事では、なぜ出せないのかという理由と、自分の自治体の扱いを5分で確かめる手順、そして4つの選択肢を条件で選び分ける方法を書きます。最後に、捨てないという選択肢についても触れます。

下の動画(音声つき・約2分)では、土がごみとして出せない理由から、自分の自治体の扱いを確かめる手順、4つの行き先を上から当てはめる順番までを、絵で順に見ていきます。

【音声つき・約2分・字幕あり】土がごみに出せない理由と、自治体の確かめ方・4つの道

なぜ「ごみ」として出せないのか

理由は単純です。土は、法律上のごみではないからです。

家庭のごみ収集は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)にもとづいて市町村が行っている事業です。この法律が対象にしているのは「廃棄物」で、土砂はここでいう廃棄物に含まれないという整理になっています。

廃棄物でないものを、廃棄物の収集は運びません。だから多くの自治体のサイトには「土・砂・石は収集しません」と書かれています。禁止されているというより、そもそも収集の枠の外にある、という言い方のほうが実態に近いはずです。

廃棄物処理法が「廃棄物」として扱うもの 生ごみ・紙 プラスチック 金属・びん 粗大ごみ 土・砂・石 枠の外=収集の対象外

図2/土は法律上の廃棄物に当たらない。だから市町村のごみ収集という仕組みの、外側にある。

ただし例外はあります。少量なら受け入れる自治体、園芸用土に限って受け入れる自治体、清掃センターへの直接持ち込みだけ認める自治体、そして一切受け付けない自治体。扱いは自治体ごとにばらばらです。

だからこの記事も含めて、誰かが書いた一般論をそのまま信じないでください。確かめる手順を次に書きます。5分で終わります。

自分の自治体の扱いを、5分で確かめる

1 検索する 「◯◯市 ごみ  出し方 土」 2 分別辞典を引く 五十音の「つ」の欄 に「土」がある 3 電話で聞く 手順2に記載が なかったときだけ

図3/多くの場合、手順2で答えが出る。出なければ手順3へ。

手順1 検索の語を変える

「◯◯市 土 処分」ではなく、「◯◯市 ごみ 出し方 土」で検索してください。前者だと不用品回収業者の広告が並びます。後者だと自治体の分別ページに当たります。

手順2 分別辞典で「土」を引く

多くの自治体は、五十音順の「ごみ分別辞典」を持っています。「つ」の欄に「土」があります。書かれ方は、だいたい次の3パターンのどれかです。

書かれ方意味次にやること
「収集しません」「収集対象外」ごみとしては出せない選択肢2〜4へ進む
「◯kgまで」「1回◯袋まで」条件つきで出せる条件を満たすか量を確認する
記載がない判断できない手順3へ

手順3 電話で3つだけ聞く

分別辞典に記載がなければ、ごみ担当の窓口に電話します。聞くことは3つだけです。

  1. 家庭菜園で使ったプランターの土を処分したい、ということ
  2. 量(「プランター◯個ぶん、だいたい◯リットル」と言えれば十分)
  3. 収集してもらえるか。だめなら、清掃センターへ自分で持ち込めるか

窓口はこの質問に慣れています。園芸の季節が終わるたびに、同じ電話が何本もかかっているからです。遠慮する必要はありません。

4つの選択肢を、条件で選び分ける

自治体の扱いが分かったら、次は選び方です。順番に条件を当てはめていけば、選択肢はひとつに絞れます。

自治体は、条件つきでも収集する? はい ① 自治体に出す 条件を守れば、いちばん安い いいえ 買った店に、引き取りがある? はい ② 販売店に返す 購入者向けの店が多い いいえ 量が多い?(袋10個ぶん以上) はい ③ 業者に頼む 必ず2社以上から見積もりを いいえ ④ 捨てずに、戻して使う プランター数個ぶんの家庭菜園なら、条件を問わず必ず使える

図4/上から順に当てはめる。①〜③には条件が付くので、多くの家庭菜園はいちばん下に落ちる。

選択肢使える条件費用の考え方あなたの地域
① 自治体に出す分別辞典に条件つきで記載がある指定袋代のみ。持ち込みは重量制の場合あり 
② 販売店・園芸店そこで土を買った人向けのサービスが多い無料〜。新しい土の購入が条件のことも 
③ 不用品回収・産廃業者量が多い。運ぶ手段がない見積もり制。量と距離で変わる 
④ 戻して使う次も植える予定がある足す資材の代金だけ 

金額を書いていない理由。この4つにかかる費用は、地域と量で数倍違います。相場として書ける数字がないので、右端は空欄にしてあります。この記事の後半に、自分の金額を書き出す欄を用意しました。調べた実額は、そこで埋めてください。

① 自治体に出す — 条件は3つの形で書かれている

条件つきで出せる場合、その条件は「1回あたりの量」「袋の種類」「事前連絡が要るかどうか」の3つの形で書かれていることがほとんどです。まとめて出すと置いていかれます。数回に分けて出す前提で、いつまでに終わらせたいかを逆算してください。

清掃センターへの直接持ち込みを認めている自治体もあります。ただし受付が平日の昼だけ、というところが少なくありません。仕事の都合がつくかどうかを先に確認しておくと、二度手間になりません。

② 販売店・園芸店に引き取ってもらう

ホームセンターや園芸店の一部に、使用済み培養土の回収サービスがあります。ただし多くは「その店で土を買った人」「新しい土を買う人」が対象で、誰でも無料というわけではありません。レシートを求められることもあります。

行く前に電話で、対象になる条件・1回の上限・持ち込み方(袋のままでよいか)の3つを確認してください。空振りすると、重い土を積んで往復するだけになります。

③ 業者に頼む — 相見積もりと、許可の確認

量が多く、運ぶ手段もない場合は業者に頼むことになります。ここで気をつけることが2つあります。

ひとつは、必ず2社以上から見積もりを取ること。土は重量物なので、量と距離で金額が大きく変わります。1社だけだと、その金額が妥当かどうか判断できません。

もうひとつは、許可の確認です。家庭から出たものを引き取って運ぶには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。「無料回収」と書いたトラックが住宅街を巡回していることがありますが、積んだあとで高額を請求された、引き取られたものが不法投棄されていた、という相談は各地の消費生活センターに寄せられています。不安なら、自治体の窓口に「この業者は許可を持っているか」と聞けば確認できます。

④ 捨てずに、戻して使う

次に植える予定があるなら、これがいちばん費用の軽い選択肢です。かかるのは、減った分を補う資材の代金だけです。

ただし、手間と場所と時間がかかります。ふるう場所、干す場所、そして2〜3週間寝かせておく場所。この3つが確保できないなら、無理に選ぶ必要はありません。ベランダしかない場合は、プランター1個ぶんずつ順番に回すほうが現実的です。

結局、どれが残るのか

ここまでを整理します。①は、自治体が条件つきで受け入れている場合に限られます。②は、多くの店で購入者向けのサービスです。③は量が多い人向けで、プランター2〜3個ぶんのために呼ぶものではありません。

つまり、プランター数個の家庭菜園で、条件を問わず必ず使えるのは④だけです。これは④が優れているという話ではありません。上の3つに条件が付いていることの、単なる結果です。①や②が使える地域なら、そちらのほうが手間はかかりません。

どちらに進むにせよ、先にふるって干す

処分するか、戻して使うか。まだ決まっていなくても、先にやっておくと後が全部楽になることが2つあります。

ふるう。前の作の根、支柱の切れ端、ラベル、石、コガネムシの幼虫。これらが混ざったままだと、販売店の回収で断られることがあります。ふるいにかけるだけで、かさそのものも目に見えて減ります。

干す。湿った土は重く、袋も破れやすくなります。持ち込みが重量制の自治体なら、乾き具合がそのまま料金に効きます。ブルーシートに広げて数日置くだけで、持ち上げたときの感触がはっきり変わります。

この2工程は、捨てる場合にも、戻して使う場合にも、どちらにも必要です。行き先を決める前にやっておいて、損になることがありません。

やってはいけない捨て方

ここは、はっきり書いておきます。困った末に、実際にやってしまう人がいるからです。

  • 公園・河川敷・空き地・山林に撒く。土であっても、他人の土地や公有地に無断で置けば不法投棄です。「自然に還るから」は通りません。
  • 可燃ごみに少しずつ混ぜる。収集の対象外のものを混ぜる行為です。土は燃えないので、焼却炉にも残ります。
  • 排水口・側溝に流す。詰まります。自分の家の配管なら自分が困るだけですが、側溝は近所の問題になります。
  • 袋のままベランダに置き続ける。捨てたわけではありませんが、湿った土は重く、虫の発生源にもなります。置いておくくらいなら、ふるって乾かしておくほうが後が楽です。

捨てない、という選択肢

ここまで読むと分かるとおり、土を捨てるという行為には、ほぼ必ず費用か手間がかかります。無料で引き取ってくれる先が近所にあれば別ですが、多くの人にとってそうではありません。

一方で、使い終わった土は捨てなければならないものではありません。前の作の根とゴミを取り除き、熱を入れ、減った有機物を足し、pHを調整して、少し寝かせる。工程は5つで、必要な日数はだいたい2〜3週間です。

使い終わった土 2〜3週間で次の作へ 1 ふるう 2 熱を入れる 3 有機物を足す 4 pHを調整する 5 寝かせる 工程ごとの分量と日数は、別記事に手順としてまとめている

図5/捨てる代わりに、この5工程を回す。

それぞれの工程で、何をどれだけ入れて、何を確認してから次に進むのか。日数と費用をつけて、別の記事に手順として書きました。

→ 古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順

処分にかかるお金を、いちど書き出す

ここから先は、比べる相手が決まっていないと意味のない話になります。そこで一度、自分の場合の金額を出しておきます。前半で調べた内容を、この欄に書き込んでください。

捨てる 指定袋代・持ち込み料・見積額 運ぶ手間(往復の時間・車) ふるう・干す 来季また買う土の代金 ? 戻して使う 足す資材の代金 ふるう・干す(同じ工程) 寝かせる2〜3週間と、置く場所 来季の土代は、かからない

図6/かかるのはお金だけではない。どちらが軽いかは、地域と量で変わる。

書き出す項目あなたの場合
量プランター  個ぶん(およそ  L)
① 自治体に出す指定袋  枚 ×  円/持ち込み  円
② 販売店に出す  円(条件:     )
③ 業者に頼む見積もり  円(  社から取得)
運ぶ手間往復  分・車(要/不要)
処分の合計  円 +   分

全部の欄が埋まらなくて構いません。前半で見たとおり、使える選択肢が1つしかないなら、それがあなたの処分費用です。この数字が出たところで、先に進みます。

足すものは、これでなくてもいい

再生の工程3「有機物を足す」に入れるものは、次のどれでも構いません。減った分を補うことが目的であって、特定の商品でなければ達成できないことではありません。

  • 完熟堆肥。自分で作れば材料費はほぼかかりません。ただし未熟なものを入れると分解に窒素が使われ、かえって育ちが悪くなります。
  • 腐葉土。手に入りやすく、価格も安いほうです。混ぜる量の目安は商品ごとに違うので、袋の表示に従います。
  • 市販の土の再生材。量の目安が袋に書かれているぶん、自分で計算しなくて済みます。
  • コンポストの中身。分解が終わっていることを必ず確かめてから使います。

お金をかけない方法が、いつも下にあるわけではありません。堆肥を自分で作れば材料費はほぼゼロですが、作る場所と数か月の時間が要ります。市販品を買えば時間は買えますが、お金は出ていきます。どちらを選ぶかは、いま自分に足りていないのが時間なのかお金なのかで決まります。

私が使っているもの

私が使っているのは畑懐の土 懐(1,100円/1L)です。商品ページには、次のように書かれています。

栽培後の古い土に混ぜて使う/プランター1個に1袋/他の培養土に混ぜても使える/同じ科の植物の連作は避けます

選んでいる理由は、効きめの話ではありません。単位がプランター1個ぶんで区切られていて、計算をしなくて済むからです。さきほどの欄に「プランター◯個ぶん」と書いた、その数がそのまま必要な袋数になります。袋の容量とプランターの容量を突き合わせる作業が要りません。

そのうえで、この金額を、さきほど書き出した処分の合計と並べてみてください。並べて初めて、高いか安いかが決まります。処分に数千円かかる地域なら、比べる意味があります。無料で引き取ってくれる先が歩いて行ける距離にあるなら、そちらのほうが安いという結論になるはずです。それで構いません。この記事は、その計算をするための材料を並べたものです。

先に書いておく制約

1袋は1Lで、プランター1個ぶんです。露地の畑には、量がまるで足りません。畑の土を立て直したい人が買うものではありません。

それから、商品ページに明記されているとおり「同じ科の植物の連作は避けます」。土を戻しても、次に植えるものは科を変えてください。トマトのあとにトマト、ナスのあとにピーマンは、土を戻したかどうかとは別の問題として避けます。これはメーカー自身が書いていることです。どの野菜が同じ科か、何年あけるかは連作障害とはの早見表にまとめています。

まとめ

  • 土は法律上の廃棄物に当たらないため、多くの自治体で収集の対象外。禁止ではなく、枠の外にある
  • 扱いは自治体ごとに違う。分別辞典の「つ」を引き、記載がなければ電話で3つ聞く
  • 選択肢は4つ。自治体 → 販売店 → 業者 → 戻して使うの順に条件を当てはめる
  • 公園・河川敷への投棄、可燃ごみへの混入、側溝への投入はしない
  • 捨てるのに費用がかかるなら、戻して使うほうが安く済むことが多い。まず自分の地域の実額を調べる

よくある質問

燃えるごみに少しずつ混ぜてもだめですか

やめてください。収集の対象外と決められているものを混ぜる行為です。土は燃えないので焼却炉に残り、処理の手間が増えます。少量ずつなら分からない、という問題ではありません。

庭に撒くのはいいですか

自分の敷地内なら問題ありません。ただし一度に厚く撒くと水はけが変わることがあるので、既存の土とすき込むか、薄く広げてください。他人の土地や公有地は不可です。

病気が出た土でも、戻して使えますか

使えるとは書けません。立枯れや青枯れが出た土は、家庭でできる熱処理では病原菌を十分に減らせない場合があります。同じ科の作物を続けて植えるのは避け、心配なら花や葉物に回すか、その分だけ処分に回してください。

プランター1個ぶんの土は、どれくらいの重さですか

乾き具合で大きく変わります。同じ土でも、水を含んだ直後と、数日干したあとでは持ち上げた感触がまるで違います。持ち込みが重量制の自治体では料金に直結するので、運ぶ前に数日干してください。手順としては、ふるいにかけてから広げて干すのがいちばん軽くなります。

業者に頼むと、いくらくらいかかりますか

金額は書けません。量と距離と地域で変わるうえ、この記事で「相場はいくら」と書いてしまうと、それを基準に判断されてしまうからです。2社以上から見積もりを取って、その2つを比べてください。比べる相手は、他人が書いた相場ではなく、もう1社の見積もりです。

土だけ抜いて、プランター自体はどう捨てるのですか

プランターと土は分けます。プラスチックのプランターは、多くの自治体でプラスチック製品または粗大ごみとして収集されます。素焼きの鉢は陶器類の扱いです。土とは分別の区分が違うので、必ず分けてください。これも分別辞典で「プランター」「植木鉢」を引けば書かれています。


ごみの分別と収集の扱いは市町村ごとに異なり、変更されることもあります。この記事は考え方と調べ方をまとめたもので、お住まいの自治体の現在の扱いは必ずご自身でご確認ください。当サイトは能源有限会社が運営しています。紹介している資材の一部は当社の取扱商品です。価格・仕様は変わることがあるため、購入前に商品ページでご確認ください。