激安の培養土は大丈夫?|安い土で起きやすい失敗と、使う前のひと手間

春のホームセンターの園芸コーナー。同じくらいの大きさの培養土の袋が並んでいて、端のほうには驚くほど安い袋が積んであります。プランターを3つ4つ埋めたいときは、どうしても安いほうに手が伸びます。一方で「安い土にしたら野菜がうまく育たなかった」という話も聞くので、迷うところです。

知りたいのは「激安の培養土で大丈夫なのか」「だめならどこがだめなのか」だと思います。この記事では、安い土で起きやすい失敗とそのサイン、買う前の見分け方、そして使う前のひと手間を順に整理します。培養土そのものの基本(何が入っていて、何のための土か)は培養土とは何か — 中身と選び方の基本にまとめています。

培養土ガイド(全9本) > ④ 値段を比べる > 激安の培養土って大丈夫?

この記事の結論 激安の培養土は、それだけで「だめな土」ではありません。ただし値段が安いぶん、元肥(最初から混ぜてある肥料)が少ない・水はけと水持ちのつり合いが偏っている・粒がこわれやすいなど、何かを省いていることがあります。省かれたものが分かれば、多くは使う前のひと手間(足す・なじませる・水の抜け方を見る)で補えます。買う前は袋の裏で「元肥が入っているか・どのくらい効くか」と「原料」を見る。使う前は、足りないものを足してなじませ、鉢に入れて水の抜け方を確かめてから植えます。
この記事でわかる3つのこと 1 安さの理由 元肥がない・少ない 水はけ・水持ちが偏る 粒がこわれやすい 何かを省いていることがある 2 起きやすい失敗 水が抜けない・すぐ乾く 途中で肥料が切れる におい・虫・カビ サインで早めに気づける 3 使う前のひと手間 ふるう・足す・なじませる 元肥を確かめる 水の抜け方テスト 多くは手間で補える この記事でわかる3つのこと 1 安さの理由 元肥がない・少ない 水はけ・水持ちが偏る 粒がこわれやすい 何かを省いていることがある 2 起きやすい失敗 水が抜けない・すぐ乾く 途中で肥料が切れる におい・虫・カビ サインで早めに気づける 3 使う前のひと手間 ふるう・足す・なじませる 元肥を確かめる 水の抜け方テスト 多くは手間で補える

この記事の色の使い分け ― ■ 緑=そうしたほうがよいこと・うまくいっている状態 / ■ 橙=注意すること・つまずきの原因 / ■ 藍=水と時間に関すること

この記事の目次
  1. 激安の培養土は「だめな土」ではない — 安さの理由を知っておく
  2. 安い土で起きやすい失敗5つと、そのサイン
  3. 買う前に見分ける — 袋の表示・重さ・袋の状態
  4. 使う前のひと手間 — 植える数日前からの5つ
  5. 水の抜け方テスト — 植える前に鉢で確かめる
  6. 植えたあとに困ったら — 追肥・水やり・次の作の土
  7. よくある質問
  8. まとめ

激安の培養土は「だめな土」ではない — 安さの理由を知っておく

培養土の値段は、中に何がどれだけ入っているか、どこまで手間をかけて作っているかで変わります。公的な試験研究機関の報告でも、市販の培養土は製品ごとに水の持ち方や重さ(比重)、肥料分の量が違うことが報告されています。種苗会社も「培養土は使用している原料・肥料によって値段が変わる」と説明しています。安い袋で違っている可能性があるのは、一般に次のようなところです(どの袋がどれに当たるかは、表示と、使ってみた様子で確かめるしかありません)。どれも「悪いものが入っている」というより、「何かが省かれている」と考えると分かりやすくなります。

省かれやすいものそのままだと起きやすいこと補い方
元肥
(最初から混ぜてある肥料)
入っていない・少ない。最初はよくても、途中で肥料が切れる袋の表示を見て、元肥を足す・早めに追肥
材料の配合
(水はけと水持ちのつり合い)
乾きやすい・詰まりやすいのどちらかに偏ることがある。ピートモスやバークは一度乾ききると水をはじく乾く土にはバーミキュライトを足す・よく湿らせてから使う
粒の強さ水やりを重ねるうちに粒がくずれて細かくなり、詰まってくるパーライト・軽石を足す
有機物を熟させる時間
(堆肥などを寝かせる期間)
熟しきっていないと、におい・ガス・虫が出ることがある広げて数日おき、においが弱まるか見る。強いままなら植え付けに使わない
ふるい分け
(粒をそろえる手間)
袋によっては、木片・根・大きな塊が混じっていることがある(値段に関係なく起こりえます)ふるう・手で取る

値段の高い土なら全部そろっている、とも限りません。どの袋が本当に安いのかを1リットルあたりの値段で比べる方法は、ホームセンターの培養土を安く買う — 1リットルあたりで比べるで書いています。パーライトや肥料を足すつもりなら、その値段も足してから比べると、本当に安いかどうかが分かります。

誤解と本当 — 安い土のうわさ
激安の培養土は、全部ダメ

ダメと決まってはいません。省かれているもの(元肥・粒の材料など)が分かれば、使う前に足し戻せます。

高い培養土なら、失敗しない

値段は原料と肥料で変わりますが、高ければ何でもそろうとは限りません。袋の表示と、育てる物に合うかで選びます。

肥料を足せば、高い土と同じになる

肥料で変わるのは養分だけ。水はけや水持ち、粒のこわれにくさは別に手当てが要ります。

白いカビが出たら、その土はもう使えない

堆肥入りの土では湿ると出ることがあり、メーカーも植物への影響はないとしています。「湿りすぎ」の知らせとして受け取ります。

「育たない=土のせい」と決めつけない 育ちが悪いとき、原因が土とは限りません。日当たり・水やりの量・苗の状態・肥料の量でも同じような症状が出ます。土を疑うのは、次の章のサインがいくつか重なったときです。

安い土で起きやすい失敗5つと、そのサイン

失敗の多くは、土の中の「すき間」と「養分」のどちらかから来ます。根は水だけでなく空気も吸っています。粒と粒のあいだにすき間があれば、水は下へ抜け、あとに空気が入ります。粒がくずれて細かい粉になると、このすき間が埋まってしまいます。

粒が残っている土と、くずれて詰まった土 粒が残っている土 すき間を水が通り、あとに空気が入る 根がのびやすい 粒がくずれて詰まった土 水が上にたまり、空気が入りにくい 根が息苦しくなる 粒が残る土と、詰まった土 粒が残っている土 すき間を水が通り、あとに空気が入る 根がのびやすい 粒がくずれて詰まった土 水が上にたまり、空気が入りにくい 根が息苦しくなる

粒がくずれやすい土は、使い始めはよくても、水やりを重ねるうちに右に近づいていきます。

反対に、粒の大きな材料や、水を抱えにくい材料にかたよった土は、すき間が多すぎてすぐ乾くほうに振れます。また、ピートモスやバーク(木の皮)は、ふだんは水をよく抱えますが、一度からからに乾くと水をはじいて吸いにくくなる性質があります。安い土の失敗は、この「詰まる」と「乾きすぎる」の両方に出ます。見えるサインから原因を探すときは、下の図を使ってください。

サインから、原因と手当てを探す 見えること(サイン) 考えられる原因 手当て 水やり後、表面に水がたまる 粒が細かく、詰まりやすい パーライト・軽石を足す 朝の水やりでも夕方しおれる 水を持つ材料が少なく、乾きやすい バーミキュライトを足す 下葉から黄色くなっていく 元肥が少ない・肥料切れ 追肥を始める ツンとする・酸っぱいにおい 有機物が熟しきっていない 広げて数日なじませる 小さな虫が飛ぶ・白いカビ 有機物が多く、湿りがち 間隔をあける・表面を覆う サインから、原因と手当てを探す 水やり後、表面に水がたまる 原因:粒が細かく、詰まりやすい 手当て:パーライト・軽石を足す 朝の水やりでも夕方しおれる 原因:水を持つ材料が少なく、乾きやすい 手当て:バーミキュライトを足す 下葉から黄色くなっていく 原因:元肥が少ない・肥料切れ 手当て:追肥を始める ツンとする・酸っぱいにおい 原因:有機物が熟しきっていない 手当て:広げて数日なじませる 小さな虫が飛ぶ・白いカビ 原因:有機物が多く、湿りがち 手当て:間隔をあける・表面を覆う

5つの失敗を、気づきやすいサインと出やすい時期で並べると次のようになります。サインが出る時期がそれぞれ違うのがポイントです。

失敗早めに気づけるサイン出やすい時期
水はけが悪く、根腐れ水やり後、表面に水がしばらく残る。土がいつも湿っているのに株がしおれる水やりを重ねたころ・雨が続くとき
すぐ乾く朝たっぷりやっても夕方しおれる。乾いた土に水をやると、しみこまずに鉢のふちから流れ出る夏・晴れが続くとき
肥料切れ下葉から黄色くなる。新しい葉が小さい。花や実がつきにくい植えてしばらくたってから(元肥の効く期間は商品で違う)
未熟な有機物のガス袋を開けるとツンとする・酸っぱいにおい。まいた種の芽が出そろわない。苗の根が茶色くなる袋を開けたとき・植えてすぐ
虫・カビ小さな黒い虫が土の上を飛ぶ。表面に白い綿のようなカビ湿った日が続くとき・室内やベランダの風の通らない場所

白いカビやキノコ、小さな虫の多くは、堆肥など有機物を含む土が湿っているときに出ます。対処は「よくある質問」で書きますが、まずは「ここは湿りすぎている」という知らせとして受け取ってください。

サインは、時期をずらして出てくる においやガスは袋を開けた日から植えてすぐ、詰まりは水やりを重ねてから、肥料切れは元肥が切れるころに出やすくなります(元肥がどれだけ持つかは商品で違うので、袋の表示を見てください)。最初の1週間うまくいっても安心しきらず、ひと月ほどは葉の色と水の引き方を見てください。

買う前に見分ける — 袋の表示・重さ・袋の状態

店先で袋は開けられませんが、確かめられることが3つあります。においは家で開けてからです。

店先で3つ、家で1つ確かめる 培養土 原料・肥料 容量 ① 袋の表示(店で) 原料・元肥の有無・容量 → 何が省かれているか ② 重さ(店で) 同じ容量の袋を持ち比べる → 材料の重い・軽いの見当 ③ 袋の状態(店で) 破れ・中の水滴・色あせ → 置かれ方の見当 ④ におい(家で) 開けてから確かめる → ツンとしたら広げて寝かせる 店先で3つ、家で1つ確かめる 培養土 表示 ① 袋の表示(店で) 原料・元肥の有無・容量を見る → 何が省かれているか ② 重さ(店で) 同じ容量の袋を持ち比べる → 材料の重い・軽いの見当 ③ 袋の状態(店で) 破れ・中の水滴・色あせ → 置かれ方の見当 ④ におい(家で) 開けてから確かめる → ツンとしたら、広げて寝かせる
見るところ分かること見方のコツ
袋の表示何が入っていて、何が省かれているか「元肥入り」かどうかと、効く期間(「60日」「約2か月」など、書いてあれば)。野菜用・草花用などの用途。原料に赤玉土・軽石・パーライトなど粒の材料が入っているか
重さ材料と水分の見当同じ容量どうしで持ち比べる。重さは材料だけでなく、袋詰めのときの水分でも変わる。極端に重い袋は水を多く含んでいることもある
袋の状態店でどう置かれていたか破れや穴がないか。袋の内側に水滴がたまっていないか。日に当たって色あせていないか
におい有機物の熟し具合店では確かめられない。家で開けてから

袋の表示は、たいてい袋の裏にあります。下は店頭で撮った袋の裏の一例です(安い土の例として載せているのではなく、見る場所の例です)。上のほうの説明文に「元肥入り」かどうか、下の小さな表に「主な配合原料名」と「肥料配合の有無」が書いてあります。

「かるい培養土」12L の袋の裏。上に「元肥入りです」などの説明文、植えつけ方の手順4つ、下に適用植物名・主な配合原料名・肥料配合の有無などを書いた表示欄
カインズの店頭で撮影(2026年10月10日)。袋の裏の見る場所の例。上の説明文に「元肥入りです」、右下の表示欄に「主な配合原料名」と「肥料配合の有無 有(緩効性肥料)」とある

元肥がどのくらい効くかが書いてある袋もあります。店頭の袋の表示(2026年10月10日撮影)では、「肥効期間は約2か月」と書いたもの、袋の表に「60日効果 元肥入り」と書いたものがありました。書いてある期間が過ぎるころが、追肥を考えはじめる目安です(どの袋も「栽培条件で変わる」「生育にあわせて追肥を」と添えています)。書いていない袋は、元肥がいつまで持つか分からないので、下葉の色を早めに見ます。

「初めての野菜の培養土」40L の袋の裏の下半分。留意点の枠と、適用植物名・主な配合原料名・肥料配合の有無の表示欄
カインズの店頭で撮影(2026年10月10日)。留意点に「肥効期間は約2か月ですが、栽培条件や管理方法によって異なる場合があります」「他の資材や土と混ぜることは避け、本製品のみで使用してください」とある

重さは「軽いほうが悪い」とは言えません。種苗会社の説明では、最近の培養土は、運びやすくし、袋の中で肥料が溶け出すのを防ぐために、水分を減らして軽くしたものが多いそうです。ピートモスやバーミキュライトのように、軽くて性質のよい材料もあります。重さは良し悪しではなく、材料と水分の見当をつける目安として使ってください。軽く乾いた土ほど、植える前にしっかり湿らせる手間が要ります。袋の表示のどこをどう読むかは、ホームセンターの培養土のおすすめ — 袋の表示で選ぶで詳しく書いています。100円ショップの小袋も考え方は同じで、ダイソーの培養土の使いどころで整理しています。

激安の袋に手が伸びるのは、たくさんの土が要るときが多いはずです。買いすぎや足りないを防ぐために、売り場へ行く前に要る量を出しておくと迷いません。プランターや鉢に入る土の量は、形と大きさで大きく違います。本体の表示を見るか、内側を測って下で計算してください。あとでパーライトなどを1〜2割足すつもりなら、そのぶん培養土は少なめで足ります。

計算のしかた:内側の長さ × 幅 × 土を入れる深さ(cm)÷ 1,000 = リットル。上はふちから2cmほど空け、底がすぼまった容器はこれより少なめです。リットルを袋の容量で割って切り上げると、要る袋の数です。

袋は、置かれていた場所も見る 培養土は「生もの」に近く、直射日光や雨の当たる場所に長く置くと中身が変わることがあると、JA や用土メーカーの資料でも注意されています。店の外の売り場で日に焼けた袋より、屋根の下の袋を選ぶだけでも、外れを引く見込みは下げられます。家で保管するときも、口を閉じて日の当たらない場所に置き、早めに使い切ってください。

使う前のひと手間 — 植える数日前からの5つ

安い土を買ったら、袋からそのままプランターに入れずに、次の5つを順に通してください。手を動かす時間は長くありませんが、なじませる日数があるので、植える日の数日前から始めます。省かれていたものを、ここで足し戻します。

使う前のひと手間(植える数日前から) 1 ふるう 塊・木片を除く 2 足す パーライトなど 3 元肥 表示を見て混ぜる 4 なじませる 湿らせて数日おく 5 水のテスト 抜け方を見る 省かれたものを足し戻す なじませて、確かめる 植える 使う前のひと手間 (植える数日前から) 省かれたものを足し戻す なじませて、確かめる 1 ふるう 大きな塊・木片を除く 2 足す パーライト・バーミキュライト 3 元肥 袋の表示を見てから混ぜる 4 なじませる 軽く湿らせて数日おく 5 水の抜け方テスト 抜け方を見る 植える
手順やることこんな土に効く
1 ふるう目の粗いふるいか手で、大きな塊・木片・根を除く。粉っぽい土なら、細かい粉(みじん)を少し抜く異物が多い土・粉っぽく詰まりやすい土
2 足す詰まりやすい土にはパーライトや軽石、乾きやすい軽い土にはバーミキュライトを混ぜる水の抜け方・乾き方に偏りがある土
3 元肥袋に「元肥入り」の表示がなければ、ゆっくり効く肥料を、その肥料の袋に書かれた量だけ混ぜる元肥なし・表示があいまいな土
4 なじませるシートやトロ舟に広げ、軽く湿らせて混ぜ、数日おく。においが抜けたら使う開けたときにツンとした土・材料を足した土
5 水の抜け方テスト鉢に入れて水を注ぎ、抜け方を見る(次の章)すべての土。手を加えたあとの確認にも
使う前のひと手間チェックリスト
  • 袋の表示で「元肥入り」かどうかを見た
  • 大きな塊・木片・根を取り除いた
  • 土の性質に合わせて、パーライトやバーミキュライトを少し足した
  • 元肥がない土に、肥料の袋に書かれた量だけ元肥を混ぜた
  • 軽く湿らせて広げ、においが弱まるまで数日おいた
  • 鉢に入れて、水の抜け方を見た

ただし、袋に「他の資材や土と混ぜることは避け、本製品のみで使用してください」と書いてある培養土もあります(上の写真の袋の留意点。店頭の袋の表示、2026年10月10日撮影)。そう書いてある袋は、材料や元肥を足さず、表示どおりそのまま使って、水の抜け方テストだけしてください。

足す量は、土の性質を見て決めます。下の図は、家庭菜園の本や資材の案内でよく見かける量を、一般的な目安としてまとめたものです。最初は少なめに足して、水の抜け方テストで確かめながら増やすほうが失敗がありません。

足す量の一般的な目安(全体を10としたとき) 水が抜けにくい・詰まりやすい土 培養土 8〜9 +1〜2 パーライト・軽石を1〜2割 すぐ乾く・水持ちが悪い土 培養土 8〜9 +1〜2 バーミキュライトを1〜2割 足す量の一般的な目安 (全体を10としたとき) 水が抜けにくい・詰まりやすい土 培養土 8〜9 +1〜2 パーライト・軽石を1〜2割 すぐ乾く・水持ちが悪い土 培養土 8〜9 +1〜2 バーミキュライトを1〜2割

数字は園芸資材の案内などで見かける量をもとにした一般的な目安で、パーライトは多くても3割ほどまでとされることが多いです。土の銘柄や、育てる野菜、置き場所の日当たりで変わります。足したら必ず水の抜け方テストで確かめてください。

ここまで手を入れるなら、最初から材料を自分で合わせるという道もあります。赤玉土・腐葉土などを組み合わせる配合の考え方は、培養土の作り方 — 材料と配合の考え方にまとめました。

足しすぎにも気をつける 足す材料は、多くても全体の3割ほどまでにしてください。入れすぎると、今度は乾きすぎ・湿りすぎの反対側に振れます。元肥も「念のため多めに」はしないでください。肥料が濃すぎると根を傷めます。足すのは、袋の表示とテストの結果を見てから、少しずつです。

水の抜け方テスト — 植える前に鉢で確かめる

袋の外から分からないことを確かめるいちばんの方法は、実際に鉢に入れて水を注いでみることです。下の動画(音声つき・約1分)では、テストのやり方、水の抜け方の見方、表面に水が残る土への手当てを順に見せています。

【音声つき・約1分・字幕あり】水の抜け方テストのやり方と見方、水が残る土への手当て

水はけのよい土では、注いだ水がすっと沈んで、まもなく鉢底から流れ出てきます。詰まりやすい土では、水が表面にたまったまま、なかなか引きません。表面に水が残り続ける土は、植える前に手を入れるのが目安です。パーライトや軽石を少し足して、同じ鉢・同じ水の量でもう一度テストします。手順は下のとおりで、家でも同じことが確かめられます。

やってみよう — 水の抜け方テスト ① 使う鉢に土を入れ、表面を手で軽くならす(押し固めない)。② コップ1杯ほどの水を、表面にゆっくり注ぐ。③ 表面に水が残るか、鉢底から水が出るまでどのくらいかかるかを見る。④ 手を加えたら、同じ鉢・同じ水の量でもう一度。ふたつの土を並べてやると、違いがいちばんよく分かります。
水の様子見立て手当て
すっと沈み、まもなく鉢底から出る水はけはよいそのまま使える。夏に乾きすぎるならバーミキュライトを足す
表面にしばらくたまる・鉢底から出るのが遅い詰まりやすいパーライト・軽石を足して、もう一度テスト
しみこまずに表面を流れ、鉢のふちから出る乾いて水をはじいている全体をよく湿らせて混ぜ、しばらくおいてから再テスト
1回目の結果だけで決めない 袋から出したばかりの乾いた土は、1回目は水をはじいて流れてしまうことがあります。湿らせて少しおいてから2回目を見ると、その土の本当の水の抜け方に近くなります。比べるときは、鉢の大きさと水の量をそろえてください。

植えたあとに困ったら — 追肥・水やり・次の作の土

植えてから気づいた場合も、多くは手当てできます。下葉が黄色くなってきたら追肥です。水に薄めて使う液体肥料は早く効き、土の上に置く粒の肥料はゆっくり長く効きます。どちらも袋に書かれた量と間隔を守ってください。

水がなかなか抜けない原因は、土の詰まりのほかに、根が鉢いっぱいに回る「根詰まり」のこともあります。土がいつも湿っているときは、表面が乾いてから水をやるように間隔をあけます。それでも株が弱るなら、根腐れが進む前に、手を入れた土へ植え替えます。すぐ乾く土は、バーミキュライトを足すか、朝の水やりを欠かさないようにします。

使い終わった土は、捨てずにもう一度使えます。根やごみを取り、日に当て、足りないものを足し戻す手順は古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順で順に書いています。

なお、当サイトの運営会社が扱っている培養土(畑懐の土)の分析データのページには、2008年に某ホームセンターのオリジナル培養土と二十日大根を並べて育てた記録を載せています。置き場所と水やりをそろえた1回だけの記録で、品種・季節・置き場所が変われば結果も変わります。ホームセンターの土が悪いという話ではなく、同じ条件で並べると、土によって育ち方に差が出ることがあるという一つの例として読んでください。

迷ったら、隣り合わせで比べる 安い土と別の土のどちらがよいか迷ったら、同じ大きさの鉢・同じ場所・同じ苗で、2つを並べて育ててみてください。よその話より、自分のベランダで並べた2鉢の差のほうが、ずっと当てになります。

よくある質問

激安の培養土でも、野菜は育ちますか

育てることはできます。ただし安い土は、元肥が少ない、水はけ・水持ちが偏っている、粒がこわれやすいなど、何かを省いていることがあります。袋の表示で元肥の有無を確かめ、使う前に水の抜け方を見て、足りないものを足してから植えると失敗が減ります。

安い培養土に肥料を足せば、高い土と同じになりますか

肥料で補えるのは養分だけです。水はけや水持ち、粒のこわれにくさは、肥料では変わりません。詰まりやすい土にはパーライトや軽石、乾きやすい土にはバーミキュライトを足すなど、土の性質に合わせた手当てが別に要ります。どちらが足りないかは、水の抜け方テストで見当がつきます。

袋を開けたら、ツンとしたにおいがします。使えますか

すぐには使わないほうが安全です。有機物が熟しきっていないと、分解のときに出るガスで根を傷めたり、種の芽が出そろわなかったりすることがあります。シートなどに広げて軽く湿らせ、ときどき混ぜながら、においが弱まるまでおいてから(目安として数日〜1週間ほど。においの強さで変わります)使ってください。寝かせるのは、こもったにおいやガスを抜くためで、熟していない材料が数日で熟すわけではありません。においが強いまま変わらない土は、植え付けには使わず、古い土に少しずつ混ぜる程度にとどめます。

土の表面に白いカビが出ました。大丈夫ですか

堆肥などの有機物を含む土では、湿ると白いカビが出ることがあり、風通しと日当たりのよい場所で使えば植物への影響はないとされています。店頭の袋の注意書き(2026年10月10日撮影)にも、「条件がそろうと、コケやカビ、キノコが発生することがありますが、品質に影響はありません」と書かれたものがありました。気になるなら上から土をかぶせ、キノコが出たときはキノコとまわりの土を取り除いてください。カビは「湿りすぎ」の知らせなので、水やりの間隔をあけ、置き場所の風通しを見直すのが本当の手当てです。

まとめ

激安の培養土はそれだけで「だめな土」ではない。ただし元肥・粒の材料・熟させる時間などを省いていることがある
起きやすい失敗水が抜けない/すぐ乾く/肥料切れ/未熟な有機物のガス/虫・カビ
買う前に袋の表示(元肥・原料)、同じ容量での重さ、袋の状態。においは家で
使う前にふるう → 足す → 元肥 → なじませる → 水の抜け方テスト
足す量の目安詰まる土にパーライト・軽石、乾く土にバーミキュライトを、どちらも1〜2割から(一般的な目安)
植えたあと下葉が黄色ければ追肥。湿りすぎなら水やりの間隔をあける。使い終えた土は再生して次へ

安い土で失敗するかどうかは、値段そのものより、何が省かれているかを知って、使う前に足し戻したかどうかで決まることが多いものです。袋の表示を読み、水を注いで確かめる。この2つを習慣にすれば、どの値段の土を選んでも外れを引きにくくなります。培養土の種類や中身をもう一度おさらいしたいときは、培養土とは — 中身と選び方の基本に戻ってください。

土の中身を、数字で確かめたいときは

当サイトの運営会社が扱う培養土について、第三者機関に出した分析の結果と、二十日大根を並べて育てた1回の記録を公開しています。ホームセンターの培養土より安くはありませんし、肥料でもないので元肥・追肥は必要です。比べる材料の一つとしてどうぞ。

→ 培養土の分析データを見る

→ 販売ページを見る(能源 web shop) 容量・価格・送料は販売ページでご確認ください

この記事を書いた人

中澤 由幸(なかざわ よしゆき)

能源有限会社/北海道勇払郡むかわ町穂別

明治38年から四代続く中澤農園の三代目。稲作からメロン中心の蔬菜へ農園を転換させ、いまは四代目の和晴(息子)が農園を継いでいます。生体システム実践研究会の会員として、一部の作物で生体エネルギー技術を用いた栽培を実践。収穫物は日本食品分析センター、デザイナーフーズ株式会社に出して測っています。記事の内容は、すべて自分の畑と手で確かめた範囲で書いています。

→ プロフィールと、書き方の方針