培養土の作り方|赤玉土と腐葉土の基本配合と、野菜用・種まき用の割合
培養土ガイド(全9本) > ⑤ 自分で作る > 培養土は自分で作れる?
春のホームセンターの土売り場。赤玉土、腐葉土、バーミキュライトと袋が並ぶのを見て、「混ぜれば培養土になるのでは。そのほうが安いのでは」と考えたことはありませんか。ところが「培養土 作り方」で調べると、配合の比が何通りも出てきて、かえって迷います。
この記事では、基本の配合と野菜用・種まき用・ハーブ用の違い、材料の役割、何リットル作るかの計算、混ぜる手順、苦土石灰と元肥(もとごえ)の順番までを、一般的な目安として整理します。培養土そのものの全体像は培養土とは何か(中身と選び方の基本)にまとめています。
先に正直に書くと、自分で作る培養土は、いつも買うより安いとは限りません。その分かれ目も、あとで書きます。
この記事の色の使い分け ― ■ 緑=そうしたほうがよいこと・うまくいっている状態 / ■ 橙=注意すること・つまずきの原因 / ■ 藍=水と時間と量に関すること
この記事の目次
培養土の基本の配合 — 赤玉土と腐葉土が土台、用途で1つ足す
園芸メーカーやホームセンター、種苗会社の案内を見比べると、赤玉土(小粒)6〜7割・腐葉土3〜4割が土台としていちばん多く紹介されています。そこから先は、育てるものに合わせて1つ足すと考えると整理できます。野菜にはバーミキュライト、種まきにはピートモスとバーミキュライト、乾き気味が好きなハーブにはパーライト、という具合です。

売り場の赤玉土の袋にも配合例が書いてあります。カインズの「中粒 赤玉土」14L の袋の表示(2026年10月10日撮影)では「プランター・鉢への植え付けに赤玉土7腐葉土3の割合が最適」とあり、上の土台(6〜7:3〜4)の範囲に入ります。同じ袋の「野菜」の配合例は「赤玉土5〜6:腐葉土4〜5」で、この記事の野菜用より腐葉土が多めです。配合の数字は、案内によって1〜2割の幅があるものと考えてください。
複数の園芸メーカー・ホームセンター・種苗会社などの案内で紹介されている配合を、一般的な目安としてまとめたものです。同じ用途でも、案内によって1〜2割の幅があります。
| 用途 | 配合(かさの比・一般的な目安) | ねらい | 肥料 |
|---|---|---|---|
| 基本(草花・野菜の土台) | 赤玉土(小粒)6〜7:腐葉土3〜4 (例 7:3) | 水はけと水もちの釣り合い | 元肥を別に混ぜる |
| 野菜用(プランター) | 赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1 | 水もちと肥料もちを少し上げる | 元肥を別に混ぜる。石灰は測ってから |
| 種まき用 | 赤玉土(小粒)5:ピートモス2〜3:バーミキュライト2〜3 /ピートモスとバーミキュライトを同量 | 細かく、清潔で、肥料が少ない | 入れない |
| 乾き気味が好きなもの(ハーブなど) | 赤玉土6:腐葉土3:パーライト1 | 水はけを上げる | 控えめに |
種まき用は、きめが細かく清潔で、肥料分がほとんどない土にするのが一般的です。園芸店の案内でも、種まき用の土と鉢植え用の土の違いは肥料が入っているかどうか、と説明されています。本葉が出てきたら、肥料のある土へ植え替えるか、薄めた液体肥料で補います。
材料ごとの役割 — 水はけ・水もち・空気・養分・pH
配合の数字を覚えるより、材料ごとの役を知っておくほうが、手元の材料で調整がききます。土に求められるのは、水はけ・水もち・根が息をする空気・肥料もち・pH(酸性かアルカリ性か)の5つです。

| 材料 | 主な役割 | pH(一般的な目安) | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 赤玉土(小粒) | すき間で水はけと空気。粒の中に水 | 弱酸性(6.0〜6.5) | 肥料分はほぼない。崩れた粉で水はけが落ちる |
| 腐葉土 | 水もち・肥料もち。生き物のすみか | 弱酸性(5.5〜6.5) | 葉の形が残る・においが強いものは避ける |
| バーミキュライト | 軽く、水もち・肥料もちがよい | 中性(7.0前後) | 入れすぎると水もちが過ぎる |
| ピートモス | 水もちがよい | 未調整なら強い酸性(3.5〜5.5ほど) | 酸度調整済みを使う。乾くと水をはじきやすい |
| パーライト | 水はけと空気 | 中性(7.0前後) | 水もち・肥料もちはほぼない。水に浮きやすい |
| 苦土石灰 | pH を上げる。カルシウムとマグネシウムを補う | アルカリ性 | 入れすぎると pH が上がりすぎる |
土台の赤玉土は、関東ローム層の赤土を乾かして粒をそろえたものです。粒どうしのすき間が水と空気の通り道になり、粒の中には水を抱えます。ただ、袋の底には粒が崩れた細かい粉(微塵/みじん)がたまりやすく、そのまま混ぜるとすき間を埋めてしまいます。
袋の底の粉を入れないだけでも、水の抜け方が変わります。
腐葉土は落ち葉が分解されたもので、水と肥料分を抱え、土の生き物のすみかにもなります。ただし品質の差が大きく、葉の形が残るものやにおいの強いものは分解の途中で、根を傷めることがあります。見分け方は培養土と腐葉土の違いで詳しく書いています。
「培養土 有機」で調べている人へ。肥料をぼかし肥料や油かすなど有機の肥料だけにすれば、中身の分かる有機の培養土になります。袋の培養土の「有機」が何を指すかは、原料の表示で確かめてください。
何リットル作るか — 比を掛け算して量を出す
配合の比は、重さではなく「かさ(リットル)」の比です。赤玉土は重く、バーミキュライトやパーライトはとても軽いので、重さで量ると大きくずれます。
まず、作る量を決めます。プランターに入る土の量は、形と大きさで大きく違います。本体や商品の表示を見るか、内側を測って計算してください。下の計算機に内側の寸法を入れると、おおよそのリットル数が出ます。
計算のしかた:内側の長さ×幅×深さ(cm)÷1000 = リットル。下がすぼまったプランターは、これより少なめです。
量が決まったら、比の数字を全部足して(6+3+1=10)、作る量をその数で割り、それぞれの比を掛けるだけです。12リットル作る場合で計算すると、次のようになります。
ほかの量は、作りたい量を入れると計算できます(野菜用の6:3:1の場合)。
例:12L 作るなら 赤玉土 7.2L・腐葉土 3.6L・バーミキュライト 1.2L。
計算どおりに混ぜても、大きい粒のすき間に細かいものが入りこむので、できあがりは足し算より少し減ることがあります。湿らせると沈むこともあるので、少し多めに用意してください。
量が出たら、売り場で何袋買うかに直します。材料は袋ごとの容量で売られています。カインズの店頭(2026年10月10日撮影)では、赤玉土 14L・腐葉土 25L・ピートモス 18L の袋でした(どれも「充填時容量」の表示)。バーミキュライトは写真の端に写っていて、読めた範囲では 18L の袋でした。袋の大きさは商品で違うので、買う前に容量を確かめてください。この容量を例に、野菜用 6:3:1 を当てはめると次のようになります。
| 作る量(野菜用 6:3:1) | 赤玉土(14Lの袋) | 腐葉土(25Lの袋) | バーミキュライト(18Lの袋・例) |
|---|---|---|---|
| 12L | 7.2L → 1袋(6.8L余る) | 3.6L → 1袋(21.4L余る) | 1.2L → 1袋(16.8L余る) |
| 約23L(赤玉土1袋を使い切る) | 14L → 1袋(余りなし) | 7L → 1袋(18L余る) | 約2.3L → 1袋(約15.7L余る) |
| 約47L(赤玉土2袋) | 28L → 2袋(余りなし) | 14L → 1袋(11L余る) | 約4.7L → 1袋(約13.3L余る) |
容量は店や銘柄で変わりますが、表から分かるのは、いちばん重くてたくさん使う赤玉土の袋の数に合わせて作る量を決めると、むだが少ないということです。腐葉土とバーミキュライトはどうしても余るので、古い土の再生や次の植え替えに回すあてがあるかも考えておきます(店頭の腐葉土の袋にも「古い土の再生材として 古い土に2〜3割混ぜ込みます」と書いてありました)。運ぶときは、腐葉土 25L の袋は表示の正味重量が 4kg と軽い一方、赤玉土はかさの割に重いので、袋の数が多いときは車で行くか何回かに分けると楽です。
作り方の手順 — ふるう・混ぜる・湿らせる・なじませる
道具は家にあるもので足ります。広い場所がなければ、大きめのポリ袋に入れて口を閉じ、転がして混ぜる方法もあります。
| 道具 | 使いみち |
|---|---|
| 園芸用のふるい | 赤玉土の微塵を落とす(なければ袋の底の粉を入れない) |
| バケツ・トロ舟・レジャーシート | 材料を広げて混ぜる(大きなポリ袋でも可) |
| 量る器・じょうろ・霧吹き | 比のとおりに量る・少しずつ湿らせる |
| 移植ごて・手袋・マスク | 混ぜる。乾いた粉を吸いこまない |
- 育てるものを決め、配合(野菜用・種まき用など)を選んだ
- 作る量をリットルで計算し、袋の容量から何袋買うか決めた
- 赤玉土は小粒、ピートモスは「酸度調整済み」を選んだ
- 腐葉土に葉の形が残りすぎていないか、いやなにおいがしないか見た
- 苦土石灰は、混ぜた土を測ってから決めるつもりでいる
- 石灰や元肥を入れるなら、植える日まで2〜3週間の余裕がある
そろったら、次の順に進めます。
- ふるう — 赤玉土の細かい粉(微塵)を落とします。
- 量って入れる — 比のとおりに、かさで量ります。
- 乾いたまま混ぜる — 下から上へ返すように、色のまだらがなくなるまで。乾いているうちのほうが、むらなく混ざります。
- 少しずつ湿らせる — 水をかけては混ぜ、ひと握りして確かめます。乾ききったピートモスは水をはじきやすいので、先に湿らせておきます。
- なじませる — 袋やふた付きの容器に入れ、雨と直射日光の当たらない場所に置きます。日数は次の章で。
下の動画(音声つき・約1分)では、比のとおりにかさで入れる・乾いたまま混ぜる・少しずつ湿らせる・握って確かめる、までを声で順に案内します。
要点は、比のとおりにかさで入れ、乾いているうちに混ぜきってから、水を少しずつ足すこと。握って固まり、指でつつくとほぐれるところで止めます。
苦土石灰と元肥 — 石灰は測ってから、元肥は日をあけて
赤玉土と腐葉土は、どちらも弱酸性の材料です。多くの野菜が育ちやすいとされる pH は一般的な目安で 5.5〜6.5(測り方は土壌分析・土壌診断のやり方)。この2つを混ぜた土は、もともと目安に近いことが多いと考えられます。
ですから苦土石灰は、混ぜて湿らせた土を測り、低いときだけ入れます。量は袋の表示に従います。一般的な目安では、鉢やプランターの土1リットルあたり3〜5g(コメリの案内)、10リットルに30gほど(タキイ種苗の案内)で、12リットルなら36〜60gほど。測って目安の範囲なら入れなくて構いません。
赤玉土・腐葉土・バーミキュライトには、野菜を育てきるだけの肥料分はほとんどありません。野菜用にするなら元肥(植える前に混ぜておく肥料)を入れます。化成肥料なら袋の表示の量。有機の肥料なら、ぼかし肥料の作り方とプランターに入れる量の目安をぼかし肥料の作り方にまとめています。
気をつけたいのは、石灰と元肥を同じ日に混ぜないことです。石灰のアルカリと肥料の窒素が反応するとアンモニアのガスが出て、根を傷めたり、肥料分が逃げたりすることがあるとされます。
古い土を混ぜて作るとき — 先に再生、病気の出た土は使わない
夏野菜のあとの土を新しい材料と混ぜたいときは、先に再生の手順(ふるう・熱を入れる・有機物を足す・寝かせる)を通してから混ぜてください。手順は古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順に書いています。
| 古い土の状態 | 使い方の目安 |
|---|---|
| 根やごみが多い | ふるって取り除いてから再生の手順へ |
| 粉っぽく、水が染みこみにくい | 微塵を減らし、腐葉土や完熟堆肥を古い土の2割ほど足す(再生の記事の目安) |
| 立ち枯れ・青枯れ・根のこぶが出た | 混ぜない。家庭でできる熱処理では病原菌を減らしきれないことがある |
| 次も同じ科を植える予定 | 土を混ぜても連作の対策にはならない。植える科を変える |
最後の行は誤解されやすいところです。新しい材料を混ぜても、その科を好む病原菌やセンチュウが消えるわけではありません。同じ科を続けるかどうかは土とは別に考えます。科の考え方は連作障害とはで整理しています。
自分で作る良い点・弱い点 — 買うほうがよい場面もある
自分で作るいちばんの良さは、中身を自分で決められること。一方で手間と時間がかかり、少量ではかえって高くつくこともあります。
| くらべる点 | 自分で作る | 袋の培養土を買う |
|---|---|---|
| 配合 | 育てるものに合わせて変えられる | 決まっている。用途別の袋から選ぶ |
| 中身 | 何をどれだけ入れたか分かる | 袋の原料の表示で確かめる |
| 費用 | 量が多いと安くなりやすい。少量だと割高になりやすい | 少量なら手軽 |
| 手間と時間 | 石灰や元肥を入れると2〜3週間待つ | 開けてすぐ使える袋が多い |
| 置き場所 | 材料の袋と余りの置き場所が要る | 使い切りやすい |
| 品質のぶれ | 材料、特に腐葉土の質で変わる | 製品ごとにそろっている(品質は製品による) |
費用の分かれ目は量です。材料を3種類そろえると、どれかの袋が余ります(上の「何袋買うか」の表のとおり)。プランター1〜2個分なら、袋の培養土のほうが安く早いこともあります。比べるときは1リットルあたりに直します。比べ方はホームセンターの培養土を1Lあたりで比べて安く買う方法に、袋のどこを見て選ぶかは袋の表示で選ぶ、ホームセンターの培養土のおすすめにまとめています。
自分で作るのが向くのは、プランターが多い・売り場にない配合が欲しい・古い土を再生して使い回したい人。買うほうが向くのは、量が少ない・すぐ植えたい・置き場所がない人です。袋の培養土にパーライトを少し足してハーブ向きにする、という「半分だけ自作」もあります。
よくある質問
培養土を作るとき、苦土石灰は必ず入れないといけませんか
必ずではありません。赤玉土と腐葉土はどちらも弱酸性で、混ぜた土は野菜の目安とされる pH 5.5〜6.5 に近いことが多いからです。測って低いときだけ袋の表示の量を入れ、元肥とは1週間ほどあけます。
混ぜてすぐに使えますか
石灰も元肥も入れていないなら、水分がなじめば使えます。石灰を入れたら約1週間あけて元肥、さらに1〜2週間なじませて植えるのが一般的な目安です。待てないときは元肥を入れずに植え、育ち始めてから追肥で補う方法もあります。
古い土に赤玉土と腐葉土を足せば、培養土になりますか
再生の手順(ふるう・熱を入れる・寝かせる)を通してから足せば、使える土になります。ただし病気が出た土は混ぜないでください。土を混ぜても連作の対策にはならないので、次は違う科の野菜を植えます。
自分で作るほうが、買うより安いですか
作る量しだいです。1〜2個分だけなら、材料の袋が余って袋の培養土より高くつくこともあります。材料も袋の培養土も1リットルあたりの値段に直し、余る材料を次に使うあてがあるかも考えて決めてください。
まとめ
| 基本の配合 | 赤玉土(小粒)6〜7:腐葉土3〜4が土台(一般的な目安)。ほかの配合はこれに1つ足した変形 |
| 野菜用 | 赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1。元肥を別に混ぜる |
| 種まき用 | 赤玉土5:ピートモス2〜3:バーミキュライト2〜3。肥料は入れない。ピートモスは酸度調整済みを |
| ハーブなど | 赤玉土6:腐葉土3:パーライト1で水はけを上げる |
| 量の計算 | 比はかさ(リットル)で。12Lなら7.2L・3.6L・1.2L。混ぜると減ることがある |
| 石灰と元肥 | 石灰は測って低いときだけ。同じ日に混ぜない。石灰→約1週間→元肥→1〜2週間→植える |
| 古い土 | 再生してから。病気の出た土は使わない |
| 作るか買うか | 少量なら買うほうが安く早いことも |
配合の数字より、材料ごとの役割と、入れる順番を押さえるほうが失敗が減ります。作るか買うかは、量と手間で決めて構いません。培養土の種類や中身の全体像は、培養土とは何か(中身と種類の基本)から順にたどれます。
培養土ガイドの道のり(いまは ⑤ 自分で作る)
- 知る培養土って、そもそも何?
腐葉土と何が違う? 混ぜる? - 選ぶホームセンターで、おすすめは?
- 店で買うコメリなら、どれを選ぶ?
カインズなら、どれを選ぶ?
ダイソーの培養土で足りる? - 値段を比べるホームセンターで安く買うには?
激安の培養土って大丈夫? - 自分で作る培養土は自分で作れる?
- 使ったあと使い終わった土は、どうする?
自分で混ぜた土と、袋の土の中身をくらべたいときに
当サイトの運営会社が扱う培養土「畑懐の土」は、第三者機関に出した分析の結果と、土の中の微生物の量を比べた記録を公開しています。ホームセンターの培養土より安くはなく、肥料でもありません。配合を考えるときの材料の一つとして見てください。
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