不耕起栽培とは|耕さない畑で土が変わる仕組みと、家庭菜園での始め方

春になると、まず耕す。うちも長いあいだそうしてきました。ところが夏の終わりに同じ畑を掘ると、表面から20cmほど下に、スコップが止まる硬い層ができていることがあります。毎年ていねいに耕しているのに、土は締まってくる。この矛盾に気づくと、耕すという作業そのものを疑いたくなります。

この記事の結論 不耕起栽培は「楽をするために耕さない」やり方ではありません。耕せば壊れてしまうものを、壊さずに使い続けるための方法です。耕さないこと自体が目的ではありません。
この記事でわかる3つのこと 1 何が壊れるのか 耕すたび、土のなかの 団粒構造と根穴が ゼロに戻る しかも下には硬い層が残る 2 誰が代わるのか 耕うん機の代わりは 根穴・ミミズ・菌根菌 の3つ 切らずに何年も伸ばし続ける 3 いつ、どれだけ 始めるのは 春ではなく、秋 作業は半年で約3時間 結果が出るのは2〜3年目 この記事でわかる3つのこと 1 何が壊れるのか 耕すたび、土のなかの 団粒構造と根穴が ゼロに戻る しかも下には硬い層が残る 2 誰が代わるのか 耕うん機の代わりは 根穴・ミミズ・菌根菌 の3つ 切らずに何年も伸ばし続ける 3 いつ、どれだけ 始めるのは 春ではなく、秋 作業は半年で約3時間 結果が出るのは2〜3年目

この記事の色の使い分け ― ■ 緑=そうしたほうがよいこと・うまくいっている状態 / ■ 橙=注意すること・つまずきの原因 / ■ 藍=水と時間に関すること

この記事の目次
  1. 不耕起栽培とは — 家庭菜園では、目的がまるで違う
  2. 耕すと壊れる「団粒構造」とは
  3. 耕さないと、誰が土をやわらかくするのか
  4. 家庭菜園での不耕起栽培のやり方 — 秋からの5手順
  5. 失敗するのは、だいたいこの3パターン
  6. 向く畑と、やめておいたほうがいい畑
  7. 耕すか耕さないかは、目的で決まる
  8. よくある質問
  9. まとめ

不耕起栽培とは — 家庭菜園では、目的がまるで違う

不耕起栽培(ふこうきさいばい)とは、作付け前に土をひっくり返す作業をやめ、前作の根と有機物を残したまま、そこへ次の種や苗を入れるやり方です。英語では no-till と呼ばれ、海外の大規模穀作では専用の播種機を使う技術として普及しています。ただし、大規模畑作と家庭菜園では、やる理由がまったく違います。

大規模畑作の不耕起家庭菜園の不耕起
いちばんの目的表土が雨で流れるのを防ぐ団粒構造を毎年ゼロに戻さない
次に大きい目的燃料費と作業時間の削減水はけと保水を両立させる
必要な道具不耕起播種機(専用機)移植ごて1本
除草の考え方除草剤を前提に組むことが多い敷き草で光をさえぎる
成果の出方初年度から燃料費として出る2〜3年目に土の状態として出る
ここを取り違えると失敗する 家庭菜園で「耕さない=楽になる」と思って始めると、ただ草だらけの畑になって終わります。 楽になるのは2年目以降で、1年目はむしろ手がかかります。
同じ畑を、掘って横から見たところ 毎年 耕している畑 耕した層 = ふかふか(約20cm) 鋤床層 = 刃の先が押し固めた硬い層 締まったまま動かない下層 水はここで止まる → 大雨のあと表面に溜まる 根も横に逃げる 3年 耕していない畑 敷いた有機物(刈草・落ち葉) 前作の根が抜けたあとの穴が、そのまま残る ミミズの通り道 水も根も、下まで抜けていく 同じ畑を、掘って横から見たところ 毎年 耕している畑 耕した層 = ふかふか(約20cm) 鋤床層 = 刃の先が押し固めた硬い層 締まったまま動かない下層 水はここで止まる → 大雨のあと表面に溜まる 根も横に逃げる 3年 耕していない畑 敷いた有機物(刈草・落ち葉) 前作の根が抜けたあとの穴が、そのまま残る ミミズの通り道 水も根も、下まで抜けていく

硬い層ができるのは、刃の届く深さが毎年ほぼ同じで、その先端が同じ深さを押し固め続けるためです。表面のふかふかは1シーズンで消えますが、下の硬い層は残ります。

耕すと壊れる「団粒構造」とは

土のよしあしを決めているのは、粒そのものではなく粒と粒のつながり方です。細かい粘土や砂が、微生物の粘り気・菌糸・腐植で糊づけされ、小豆くらいのかたまりになる。これが団粒です。

団粒がある土団粒がない土
隙間の作り粒の内側と、粒どうしの間の二階建てすきまが一種類しかない
水粒の内側が抱える(水もちがよい)抜けすぎる、または溜まる
空気粒の間を通る(水はけがよい)根が息をしにくい
雨のあと翌日には歩ける表面が膜のように固まる
耕すと二階部分が機械的に叩き潰される。1シーズンで元に戻ってしまう

「水もちがいいのに水はけもいい」という一見矛盾した状態は、この二階建ての隙間があってはじめて成り立ちます。自分の畑に団粒があるかどうかは、道具なしで確かめられます。

道具なしで確かめる — 湿った土を、ひと握りして開く ◎ 団粒ができている 小豆くらいの塊に ほろほろと崩れる 耕さずに、そのまま 使える状態です △ 固まったまま 粘土のかたまりのまま 形が残る 有機物を入れて団粒を 作ってからにする △ 粉になる さらさらと粉状に 散ってしまう 糊がない状態。腐植を 増やすのが先 道具なしで確かめる — 湿った土を、ひと握りして開く ◎ 団粒ができている 小豆くらいの塊に ほろほろと崩れる 耕さずに、そのまま 使える状態です △ 固まったまま 粘土のかたまりのまま 形が残る 有機物を入れて団粒を 作ってからにする △ 粉になる さらさらと粉状に 散ってしまう 糊がない状態。腐植を 増やすのが先

判定のこつは、雨の翌々日くらいの湿り気で行うことです。乾ききった土はどれも粉になり、濡れすぎた土はどれも固まるので、区別がつきません。

「もっと深く耕せばいい」が通らない理由

硬い層をどうするかできること家庭菜園では
機械で深耕する
(サブソイラ等)
50〜60cm まで裂いて硬盤を切る機械が入らない。不可
スコップで人力の深耕上下を入れ替えれば硬い層は消えるやせた下層土が表に出る。表層の微生物と有機物を地下へ埋めることになる
硬い層を作らない刃を同じ深さに入れ続けないできる
生き物に開けてもらう根・ミミズ・菌糸に縦穴を作らせるこれが不耕起栽培

耕さないと、誰が土をやわらかくするのか

耕さない畑がやわらかくなるのは、放っておいたからではありません。耕うん機の代わりに働く担い手が、三ついます。

耕うん機の代わりに働く、3つの担い手 1 根穴(こんこう) 枯れた根が分解され、その 跡が縦の水みちとして残る 2 ミミズと土壌動物 糞が団粒そのものになり、 通り道が排水路になる 3 菌根菌(きんこんきん) 根に共生し、菌糸で土を 縫うように結びつける 耕うん機の代わりに働く、 3つの担い手 1 根穴(こんこう) 枯れた根が分解され、その 跡が縦の水みちとして残る 2 ミミズと土壌動物 糞が団粒そのものになり、 通り道が排水路になる 3 菌根菌(きんこんきん) 根に共生し、菌糸で土を 縫うように結びつける
担い手していること耕すとどうなるか育つまで
根穴枯れた根の跡が、縦の水みちになるすべて途切れる1シーズン
ミミズ糞が団粒になる。通り道が排水路になる直接傷つく。数が減る1〜2年
菌根菌菌糸が土を縫い、粒どうしを結ぶ菌糸が物理的に切れる2〜3年
不耕起栽培のいちばんのコスト 耕うん機なら30分でふかふかになりますが、この3つが入れ替わりに働くには時間が要ります。最大のコストは労力でも資材費でもなく、待ち時間です。

下の動画(音声つき・約2分)では、耕すと土のなかで何が壊れ、耕さないと誰が代わりに土をやわらかくするのかを、断面の絵で順に見ていきます。

【音声つき・約2分・字幕あり】耕すと壊れる団粒と、耕さずに土をほぐす3つの担い手

家庭菜園での不耕起栽培のやり方 — 秋からの5手順

春に思い立って始めない まだ何の構造もできていない土に春から播くと、たいてい生育が揃わずに終わります。夏作を片づけた9〜10月に仕込み、冬を越させ、春に播く。この順番なら、生き物が働く時間を冬のあいだに稼げます。
秋に仕込んで、春に播く 9〜10月 1. 区画を決める 通路と栽培列を 固定して分ける 残渣は抜かず 地際で刈る 約60分 10〜11月 2. 上から覆う 刈草・落ち葉を 5cm 敷く または緑肥を 播く 約60分 12〜2月 3. 何もしない 凍結と融解が 土をほぐす 分解も静かに 進んでいる 0分 3月 4. 地温を上げる 播く2〜3週前に 敷き草を脇へ寄せる 不耕起の弱点は 春の地温の低さ 約20分 4〜5月 5. 穴だけあける 植え穴・播き溝 だけを開ける 植えたら敷き草を 株元へ戻す 約40分 手を動かすのは、半年でおよそ3時間。あとは待つ時間です 秋に仕込んで、春に播く 9〜10月 1. 区画を決める 通路と栽培列を 固定して分ける 残渣は抜かず 地際で刈る 約60分 10〜11月 2. 上から覆う 刈草・落ち葉を 5cm 敷く または緑肥を 播く 約60分 12〜2月 3. 何もしない 凍結と融解が 土をほぐす 分解も静かに 進んでいる 0分 3月 4. 地温を上げる 播く2〜3週前に 敷き草を脇へ寄せる 不耕起の弱点は 春の地温の低さ 約20分 4〜5月 5. 穴だけあける 植え穴・播き溝 だけを開ける 植えたら敷き草を 株元へ戻す 約40分 手を動かすのは、半年でおよそ3時間。 あとは待つ時間です
手順やること次へ進む目安ここを外すと
1
9〜10月
通路と栽培列を線引きし、残渣を地際で刈る列に足を踏み入れずに手が届く踏んだ場所はもう戻らない
2
10〜11月
刈草・落ち葉を5cm 敷く/緑肥を播く地面が見えない見えている所から草が出る
3
12〜2月
何もしない―いじると分解がふりだしへ
4
3月
播く2〜3週前、列の敷き草だけ脇へ寄せる土に日が当たっている春の生育が揃わない
5
4〜5月
植え穴・播き溝だけ開けて植える周りの土をほぐしていないほぐすと1〜4が無駄になる

手順1|通路と栽培列を、先に固定する

不耕起でいちばん効く工夫が、じつはこれです。人が踏む場所と作物を植える場所を最初に線引きし、二度と入れ替えない。 耕さない以上、踏み固めた場所は元に戻りません。逆に言えば、栽培列を一度も踏まなければ、そこは締まりません。

真上から見た、区画の取り方 栽培列 = 一度も踏まない 両側から手が入るなら 幅 90〜100cm 通路 = ここだけを歩く(幅 40cm 以上) 壁ぎわの列 = 幅 60cm まで 片側からしか手が入らないため 壁・フェンス 幅の決め方は「通路に立ったまま、列の中央まで手が届くか」だけ 真上から見た、区画の取り方 栽培列 = 一度も踏まない 両側から手が入るなら 幅 90〜100cm 通路 = ここだけを歩く (幅 40cm 以上) 壁ぎわの列 = 幅 60cm まで 片側からしか手が入らないため 壁・フェンス 幅の決め方は「通路に立ったまま、 列の中央まで手が届くか」だけ
残渣は、抜かずに地際で刈る 引き抜くと根穴がその場でつぶれます。 根は土のなかに残したまま枯らす。これが翌春の水みちになります。

手順2|土を裸にせず、上から覆う

耕さない代わりに、有機物はすき込まずに上へ載せます。 土のなかに混ぜないので窒素飢餓が起きにくく、下から順に分解されて、そのまま表層の腐植になります。

敷くもの手に入れ方もち注意
刈草自分の畑・庭から短い種を持つ前に刈る
落ち葉秋にまとめて集まる中飛びやすい。上から少し押さえる
稲わら・麦わら農家・園芸店長いいちばん扱いやすい
もみ殻ライスセンター等とても長い分解が遅く、肥料分はほぼない
緑肥
(ライ麦・エン麦・ヘアリーベッチ)
種を秋に播く―覆いと根穴が同時に手に入る

敷くものが手に入らないなら緑肥が有力です。冬のあいだ根を伸ばし、春に地際で刈り倒してそのまま敷き草にすれば、1回の作業で覆いと根穴の両方が手に入ります。

手順4|春の地温だけは、意識して上げる

不耕起の弱点は、ここ一点 敷いた有機物が日射をさえぎるため、春先の地温が上がりにくい。 耕して黒い土をむき出しにした畑より立ち上がりが遅れます。寒冷地ではこの差が生育の遅れとして出ます。

対策は単純です。播く2〜3週間前に、植える列の敷き草だけを脇へ寄せる。 通路の分は動かさなくてかまいません。土に日を当てて温め、植えたあと株元へ戻す。これで覆いの利点を捨てずに地温だけ稼げます。

手順5|土をめくらず、植える場所だけ開ける

植えつけの日は、畑全体には一切さわりません。 敷き草を株間の分だけよけ、移植ごてを差し込んでこじり、根鉢が入るだけの穴を開ける。周りをほぐす必要はありません。種の場合は支柱や板の角で浅い溝を一本引き、そこへ落として覆土します。

「こんな硬い土に根が張るのか」と思われるはずですが、張ります。 根は自分で土を押し広げるより、空いている隙間をたどるほうがずっと得意です。縦穴が通った土では、根は掘るのではなく通っていきます。 その隙間がまだ無い1年目に生育が落ちやすいのは、このためです。

植えたら、すぐ敷き草を株元に戻す 土が裸のまま残る時間を短くします。雨粒が直接当たると表面の団粒が叩き潰されて膜のように固まり、そこから水が入らなくなります。 不耕起でいちばん守りたいのは、この表面数センチです。

失敗するのは、だいたいこの3パターン

起きること本当の原因どうするか
草に負けて畑が埋まる覆いが薄い。地面が見えている場所から草が出る敷き草を切らさない。5cm を割ったら足す。抜くより「光を当てない」ほうが早い
初年度だけ収量が落ちる硬い層がまだ残っていて、根が下へ入れない異常ではなく通過点。1〜2年目は根の深い作物(ダイコン・ゴボウ・麦)を先に入れ、根に穴を開けてもらう
春の生育が揃わない地温不足。または敷き草の下がずっと湿っている手順4を必ず行う。排水の悪い畑では、列だけ10cm 高くしてから始める

3つに共通するのは、どれも「耕さないこと」自体が原因ではないという点です。覆いが足りない、待ち時間を見込んでいない、地温を手当てしていない。いずれも手順で防げます。

スコップが入る深さで、進み具合を測る 1年目 20cm で止まる 収量はやや落ちる 変化はほぼ分からない ここでは判断しない 2年目 30cm まで入る 雨のあと水が引くのが早い 手ごたえが出はじめる 3年目 40cm 以上入る 握るとほろほろ崩れる ここで判断する スコップが入る深さで、 進み具合を測る 1年目 20cm で止まる 収量はやや落ちる 変化はほぼ分からない ここでは判断しない 2年目 30cm まで入る 雨のあと水が引くのが早い 手ごたえが出はじめる 3年目 40cm 以上入る 握るとほろほろ崩れる ここで判断する

始める前に、スコップを刺した深さと握った土の崩れ方を記録しておいてください。比べる相手がないと、変わったかどうかが分かりません。

向く畑と、やめておいたほうがいい畑

始める前の判定 — 右に1つでも当てはまるなら、待つ ◎ 向いている ✓区画を 数年つづけて 同じ場所で使える ✓大雨のあと、翌日には水が引く ✓刈草や落ち葉が、毎年ある程度手に入る ✓すぐの収量より、土の状態を優先できる → 秋に仕込んで、3年みる △ 先に別のことをする ×大雨で 水が溜まり、数日引かない ×握った土が粘土のまま形を残す ×毎年ちがう場所を借りて作っている ×今年の収穫量を落とせない → 排水と有機物が先。話はそのあと 始める前の判定 — 右に1つでも当てはまるな ら、待つ ◎ 向いている ✓区画を 数年つづけて 同じ場所で使える ✓大雨のあと、翌日には水が引く ✓刈草や落ち葉が、毎年ある程度手に入る ✓すぐの収量より、土の状態を優先できる → 秋に仕込んで、3年みる △ 先に別のことをする ×大雨で 水が溜まり、数日引かない ×握った土が粘土のまま形を残す ×毎年ちがう場所を借りて作っている ×今年の収穫量を落とせない → 排水と有機物が先。話はそのあと

とくに排水は、耕さないことでは解決しません。 滞水した土では、団粒を作る側の微生物が働けないためです。

プランター・ベランダ菜園は対象外 容器のなかでは根穴もミミズの通り道も維持しにくく、数年かけて構造を育てるだけの奥行きがありません。 この場合は、使い終わった土を仕立て直すほうが早く結果が出ます。手順は古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順にまとめています。

耕すか耕さないかは、目的で決まる

ここまで不耕起の話をしてきましたが、耕すことが悪いわけではありません。 耕うんは、土を短時間で均一な状態にリセットする作業として非常に優秀です。

やりたいこと耕す耕さない
今年、すぐ均一な土にしたい◎×
石灰や大量の有機物を混ぜたい◎△ 表面施用になる
数年かけて水はけと保水を両立させたい△◎
作業時間を減らしたい×◎ 2年目以降
表土が流れるのを防ぎたい×◎
畑ぜんぶを、一度に切り替えない うちでもハウスと露地では作業の中身が違いますし、作目によっても判断は変わります。まず一列だけ耕すのをやめて、隣の耕した列と並べて2〜3年みる。 同じ天気・同じ管理で並べて比べれば、自分の畑での答えは自分で出せます。誰かの畑で出た結論より、隣り合った2列の差のほうがはるかに信用できます。

よくある質問

不耕起にすると、雑草は増えますか

種類が変わります。地中の種が光に当たらないため一年草はむしろ減り、地下茎で広がる多年草(スギナ、ハマスゲなど)が有利になります。 この手の草がすでにはびこっている畑では、先に地下茎を片づけてから始めてください。

不耕起栽培では肥料をどう与えるのですか

すき込まず、表面に置いて敷き草をかぶせます。雨と土壌動物が下へ運びます。効き方が緩やかになるので、追肥で足す前提で組んでください。石灰など混ぜないと効きにくい資材は不耕起と相性が悪いため、必要なら切り替える前の年に済ませます。

不耕起栽培は何年で効果が分かりますか

スコップの入りやすさで見るなら2〜3年目です。1年目は変化がほとんど分からず、収量もやや落ちることがあります。1年で判断しないでください。

連作障害は不耕起栽培で防げますか

防げるとは書けません。土の生き物の多様さが増えて軽くなる例は報告されていますが、同じ科の作物を同じ場所で続ければ、耕そうが耕すまいが特定の病原菌と線虫は増えます。輪作は不耕起でも必要です。 科ごとの空ける年数と区画の回し方は連作障害とはにまとめています。

まとめ

目的団粒構造と根穴を、毎年ゼロに戻さないこと
誰がやるか耕うん機の代わりは 根穴・ミミズ・菌根菌 の3つ
いつ始めるか秋(9〜10月)。通路と列を固定 → 有機物で覆う → 春は地温だけ手当て
やらない畑排水が悪い/握って形が残る粘土質/毎年場所が変わる
いつ判断するか2〜3年目。1列だけ耕して残し、隣と比べる

土は、入れたものと待った時間の分しか変わりません。耕さないという選択は、その待ち時間を土のなかの生き物に預けるという意味です。預ける先がまだ育っていない畑では、まず預ける相手を作るところから始まります。

土そのものの中身を、数字で見てみる

団粒がある土とない土は、成分でも違いが出ます。うちで使っている培養土について、第三者機関に出したミネラル分析の結果と、実際の栽培記録を公開しています。

→ 培養土の分析データを見る

関連記事:古い土を再生して秋にもう一度使う5つの手順|夏野菜のあとのプランター

この記事を書いた人

中澤 由幸(なかざわ よしゆき)

能源有限会社/北海道勇払郡むかわ町穂別

明治38年から四代続く中澤農園の三代目。稲作からメロン中心の蔬菜へ農園を転換させ、いまは四代目の和晴(息子)が農園を継いでいます。生体システム実践研究会の会員として、一部の作物で生体エネルギー技術を用いた栽培を実践。収穫物は日本食品分析センター、デザイナーフーズ株式会社に出して測っています。記事の内容は、すべて自分の畑と手で確かめた範囲で書いています。

→ プロフィールと、書き方の方針